「63歳でも子どものようにチャレンジしたい」宮崎美子が年齢を重ねて感じた力を抜くことの大切さ
熊本大学在学中に芸能界デビューを果たし、黒澤明監督の「乱」など話題作に出演したのち、人気クイズ番組をはじめ多くのバラエティ番組でも活躍する女優の宮崎美子さん。デビュー40周年となった2020年には、YouTubeチャンネルを開設するなど、新たなチャレンジを続ける。63歳を迎えた宮崎さんに、若い人に囲まれる現場で感じる嬉しさと寂しさ、そして歳を重ねて見えてきた「力を抜くことの大切さ」について聞いた。(聞き手:荻上チキ/TBSラジオ/Yahoo!ニュース Voice)
年長者を大事にしてくれるのは嬉しいが、遠慮されるのはつらい
――宮崎さんは年齢を重ねることで変化したことはありますか? 宮崎美子: 自分を少し甘やかせるようになりましたね。ゆったりと物事を捉えられるようになったからだと思います。“若い人たち”という言葉はあまり使いたくないのですが、現場で若い人たちがこんなふうに悩んでいるのだなというのを俯瞰して見る余裕ができました。自分が若いときにこうやって先輩方が見てくださったことを今、少しでもできていたらいいですね。これまで先輩方から受けたご恩をお返ししなきゃと思うようになりました。 あと、現場で一番年長者ということが増えましたね。大事にしてもらえるのは嬉しいんですけど、遠慮されるのはつらいですね。どんどんいろんなことを教えてほしいし、「そこはこうじゃないですか?」って指摘してほしいです。 先日、男性同士がパートナーシップを結ぶというセリフのあるドラマに出演したのですが、パートナーシップについてニュースで見聞きはしていたものの、ちゃんと理解していなかったことに気づいて。でも、若い共演者の方がパートナーシップのあり方を教えてくれたんです。そこで初めてきちんと理解できたし、教えてくれたことがすごく嬉しかったんです。「ああ、私遅れているかも」と思いました。そういうことを受け止められる自分でいたいですね。 ――年齢を重ねることに焦りはありますか? 宮崎美子: 「会いたい人には、今、会っておかないと」って思います。コロナ禍になってなおさらそう思います。「今しかないんだな」と切実に感じるようになりました。いつでもできそうなことは後回しにしそうなときもありますけど、もうできるときは来ないから。昨年できていたことも「体力が落ちてもうできないな」とか、いろいろと身にしみることが増えてきたけど、これはしょうがないこと。それを維持することはできても、そこから劇的に急上昇はしないんじゃないかなと思うんです。