大災害時に1週間乗り切るための、停電対策&断水への備えリスト。電池式の充電器に乾電池は最低10本、ビニール2枚と新聞紙で簡易トイレに
『婦人公論』8月号(7月15日発売)では、「豪雨、地震、台風……今すぐ見直すわが家の防災」という特集を組み、自然災害への備えについて特集しました。そのなかから、選りすぐりの記事を配信します。 ***** 災害に見舞われた時、各自治体は、倒壊や浸水などの危険がなく、安全が確保できる場合は、自宅で過ごす「在宅避難」を推奨しています。防災士が伝授する、1週間に必要な備蓄品を確認し、準備しておきましょう(構成=村瀬素子 イラスト=草野かおる) 【停電対策をイラストで解説】 * * * * * * * ◆電気が復旧するまで1週間はかかる 大災害が発生した時、在宅避難を想定して政府が提言しているのは、各家庭で1週間分の食料や生活用品を備蓄することです。というのも、ライフラインが復旧したり、支援が届くまでには早くても数日かかるため。 たとえば能登半島地震では、国が食料や水などの救援物資を届けるプッシュ型支援(被災都道府県からの要請を待たずに行う緊急輸送)を行いましたが、到着までに3日かかりました。炊き出しが始まるのも、災害が起きて4日目以降が多いのです。 またライフラインのうち、最も復旧が早いといわれる電気ですら1週間ほどはかかってしまう。ガスや水道に関しては、個々の家や地域の工事状況により、能登の被災地では、未だに水道が復旧していないところも。 こうした現実を踏まえ、せめて電気が復旧するまでの間は自力で生活ができるように、最低1週間分の備蓄が必要なのです。 ここからは、具体的に何を用意しておくべきか、想定される状況別に、備蓄品と活用方法について紹介していきましょう。
◆停電対策 □ ヘッドライト…1人1つ □ ランタン型の懐中電灯…1~2つ □ 蓄光シール □ ロウソク…1ダース □ 乾電池(必要な形)…最低10本 □ モバイルバッテリー…1つ □ 電池式充電器…1つ □ 携帯ラジオ…1つ 能登半島地震では、最大約4万戸が停電しました。電気が来なくなると、冷蔵庫、電子レンジ、エアコン、テレビ、給湯器など多くのものが使えなくなります。 なかでも一番困るのが、明かりです。暗闇では何もできず、つまずいてケガをする危険も。そのため、懐中電灯などの照明の準備は必要不可欠です。 おすすめはヘッドライト。首にかけておけば、両手が塞がらずに足元を照らすことができるので、家族の人数分を用意しておきましょう。また、テーブルの上を照らすには、自立するランタン型の懐中電灯が重宝します。 いずれも、100円ショップなどで売っている安価なもので十分。なければ、懐中電灯と水入りペットボトルで簡易なランタンを作るのも手です。ソーラーライトは補助灯として使ってもよいでしょう。 また、普段から階段やドアノブなどに蓄光シールを貼っておくと、暗闇のなかで光って目印になります。ロウソクは、お守り代わりに1箱(12本)ほど備えておくといいですね。 忘れてはいけないのが、モバイルバッテリーなど充電機器。連絡や情報収集に欠かせないスマホやラジオの充電ができなくなっては困りますから、予備として電池式の充電器もあると安心です。 乾電池は、最低でも10本ほど常備しておきましょう。照明や充電機器の備蓄は多いにこしたことはありません。
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