新流行!? オートミールの進化版ダイエットが危険な理由
ウエイト・シェイミングと減量薬オゼンピック
効果を裏付けるエビデンスがないことに加え、急激に体重を減らそうとしている点でも、このダイエット方法は勧められない。ご存じの通り、ウエイト・シェイミング(体重を理由に人をけなすこと)とダイエット文化は、自分の体と前向きな関係を築こうとする私たちの行く手を阻む。最初のうちは体重が減ったとしても、そのような非包括的で断片的なアプローチは多くの場合“続かない”。 栄養士のリヴ・モリソンは、このトレンドが社会に与える影響を懸念する。「食事は楽しいものでなければなりません。このようなトレンドは私たちと食べ物の関係を悪化させ、本来なら健康的な食べ物を不健康にして、食事の定義を変えてしまいます。オートミールを多くの人が効果を実感している薬剤に紐づけるのは、少し危険な気がします」。しかも、TikTokユーザーの大半は摂食障害のリスクがもっとも高い10代や20代の若者だ。
急激な減量がもたらす問題
モリソン氏によると、「オートゼンピック・チャレンジで体重が18kg減る」と聞いた人は、「他の食事もオートゼンピックにすることで、もっと体重が減らせるかもしれない」と考えて、さらに自分を追い込む可能性がある。 「これは健康的なアプローチではありません。そこが心配なところです。私の中で“チャレンジ”という言葉は、その対象が食べ物であろうとスタイルであろうと体重であろうと危険信号。チャレンジには開始時間と終了時間があるからです。チャレンジで生じる変化は、健康的で持続可能で進歩的な変化とは言えません。そもそも、健康的なライフスタイルは毎日少しずつ築き上げていくものです。食品群を制限する必要はありません。ありとあらゆる食べ物を取り入れて、楽しめばいいのです。健康的なライフスタイルには“最終目標”もありません。これは食生活にも運動にも言えることですが、ずっと続けられてこそ意味があります。健康的なライフスタイルは、ダイエットやチャレンジではなく生き方ですから」