【闘病】「胃薬飲めば大丈夫」と言われ症状を放置してしまった… 『クローン病』
早期発見・早期治療が一番です
編集部: 今までを振り返ってみて、後悔していることなどありますか? 鈴木さん: 症状が出始め、町医者で薬をもらって改善しなかった時に、もっと早く大きな病院に行っていたら良かったと思います。病気は「早期発見」とよく言われますが、その通りだと思います。主治医がいつも言いますが、私は病気がかなり進んでからしか治療ができていないので、お腹の中で、大腸や小腸がかなり変形してしまっているらしいです。早めの治療が1番ですね。 編集部: 現在の体調や生活はどうですか? 鈴木さん: 現在は息子が小学2年生になり、2023年の11月から、ミニバスケットボールのクラブチームに入りました。私は小学校1年生~高校3年生までバスケットボールをやっており、全国大会出場経験が2度あります。この地域ではある程度有名だったため、息子のクラブチームから、コーチと帯同審判の依頼がありました。すぐにライセンスを取り、今は週に3~4回、指導をしています。根っからのバスケ好きなので、すごく楽しいです。 編集部: それは素晴らしいですね。 鈴木さん: ただ、痛みは相変わらずありますので毎朝、病院に行き、強い痛み止めを1日1回注射してもらっています。注射のほかにも、強い痛み止めを1日に4~6回飲みながら生活しています。また、毎月1回大学病院に行き、採血と飲み薬の処方、化学療法をしています。胃カメラなどの検査がある場合は、診察とは別日で行かなければなりません。 編集部: 医療機関や医療従事者に望むことはありますか? 鈴木さん: 多くの方の支えがあって、ここまでやってこれました。いつも、親身になって相談に乗っていただけるので、今のままで十分感謝しています。といっても、病気発覚からまだ10年です。何歳まで生きられるのかは分かりませんが、まだ38歳ですので、まだまだ長い目で付き合っていかないといけないと思っています。主治医や看護師さんには「これからもよろしくお願いします」と伝えたいです。 編集部: 最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。 鈴木さん: 「自分は大丈夫」と過信しないことが大切じゃないでしょうか。私は小学校から中学校まで9年間皆勤賞で、遅刻も欠席もありません。こんな健康優良児でも、病気になります。何があるかわかりません。可能であれば、年に1度の人間ドックをお勧めします。難病患者と聞くと、「辛いね。大丈夫?」と言われることもありますが、私は、普通の人と同じ気持ちで生活しています。私の様に、見た目では分からない病気の人がたくさんいます。最近やっと「ヘルプマーク」が認知されてきました。「何がお手伝いしましょうか?」と声をかけるのはとても勇気がいるでしょうが、ヘルプマークをつけている人が何か異常があったような時には、手を差し伸べてくださると助かります。