【インタビュー】デザインとエンジニアリングの融合がカワサキの強み! 新顔はハイブリッド2車とNinja 500/Z500
それぞれのターゲットユーザーに合わせたデザイン
──今回のEICMAではNinja 500やZ500、そしてZ7ハイブリッドが初公開されました。Ninja ZX-6RやNinja 7ハイブリッドも最新モデルですね。何か共通するデザインコンセプトなどはあるのでしょうか? 「全体というよりは機種それぞれでデザインテーマを決めています。Ninja 500で言えば『インテンス』という刺激的でカワサキらしいデザインと、『ハイクラス』という2つのキーワードを設定していまして、同クラス・同カテゴリーよりも上質でお客様の所有欲を満たすものとしています。それはZ500も同じで、さらにZ500は『カワサキのZ』らしく見えるように、と」 ──500シリーズで言うと、排気量の近いNinja 650/Z650とはどう棲み分けているのでしょうか? 「650のほうがよりツーリング向けと言えます。500はもうちょっとスポーティなコミューターという位置付けで、どちらかというと大人向けの650、若者も意識した500という感じでしょうか。もちろんその上にはNinja 1000SXやZ900などもありますから、650は中間的と言っていいかもしれません。また、スポーティに走るならZXシリーズもあります」 ──ZXシリーズと言えば、Ninja ZX-6Rが最新世代のデザインになっています。 「フラッグシップモデルとしてはNinja ZX-10R/RRがあるのですが、10Rはレースで勝つため、6Rはストリートで楽しむお客様が多いという違いがあります。ですので、6Rはあくまでも公道マシンである“スーパースポーツ”を形づくりながら10Rのエッセンスを入れている感じです」 ──6Rがスーパースポーツなら、10Rはレースを前提としたホモロゲーションモデルといったところでしょうか。では、スーパースポーツらしさとは? 「スピードシェイプというのが重要です。前後に繋がるスピード感を表現する部分、あまり角張っていない流麗さなどでしょうか。最新の6Rには、10Rと同じような奥行き感やレイヤー感を与えています。10Rは空力性能をより重視して作っていて、デザイン要素ももちろん入っているのですが、勝つためのカタチというのがメイン。対する6Rは所有欲を満足させるようなデザイン性も意識しています。なんて言うとデザイン優先に聞こえるかもしれませんが、もちろん6Rもサーキットでも速いですよ(笑)」 >>>どちらかというと性能重視のNinja ZX-10R。 >>>所有する喜びを意識したデザイン性のNinja ZX-6R。 ──改めてNinja 500/Z500について伺います。まずNinja 500ですが、こちらも新しいNinja顔というか、印象がけっこう今までの400と違います。 「じつは6Rで新しいヘッドライトユニットを開発したのですが、同じものをNinja 500にも使っています。ロービーム側はプロジェクターで、小さな発光部分以外は暗く落ちるようにしていますので、両サイドにあるハイビームを点灯させるとガラッとイメージが変わるはずです。また、Z500のヘッドライトも私がデザインを担当しました。こちらは従来よりも左右の2眼がきちんと分かれていて、よりコンパクトに見えるようにしています。中央の下側にあるのはハイビームですね」 >>>左がNinja 500で、右がZ500。スーパースポーツの文脈からきているNinjaの2眼に対し、スーパーネイキッドらしい小顔を実現しているのがZ500と言える。いずれもヘッドライトユニットによる印象の変化が大きい。