【インタビュー】デザインとエンジニアリングの融合がカワサキの強み! 新顔はハイブリッド2車とNinja 500/Z500
開発初期からデザインも参加できるのが大きな違い
──カワサキに入社されて16年目ということですが、先に述べた田中俊治さんからも影響を受けてきたのですか? 「私が入社して5~6年の間は、まだ田中さんが在籍していまして、カワサキのデザインが大きく変わった時期だったと思います」 ──今も残る影響もあるんでしょうか? 「デザインを強くしてくれた、というのが大きいと思います。それまでよりも早い段階からデザインがより深く開発に関与できるようになったというか……。設計や生産の技術者と共に、早い段階でデザインも作り込みながら協力し合ってマシンを作っていけるようになりました。そうすることで、よりマシンの価値を高めていけるような相乗効果が得られています」 ──デザインの方向性どうこうよりも、デザインの立ち位置そのものを変えたんですね。そこから連綿と受け継がれているものもあるかと思いますが、なにかキーになるフィーチャーなどはありますか? 「私たちが一番大事にしているのは、やっぱりひと目でカワサキのバイクとわかることです。“他にないデザイン”というのを意識していて、それが力強さであったりシャープさであったりといったディテールに表れていると思います」 >>>2023年12月23日に発売されたばかりのNinja ZX-6R。いかにもカワサキという顔だが新鮮さもある。 ──確かに我々バイクファンも、カワサキはひと目で認識できている気がします。 「他社の真似はしないということはとても大切にしています。また、最近はエルゴノミクスとデザインの両立はよく意識していますね。例えばシートのウレタンの厚みであったり、お客様が乗りやすいようにと意識しながら、開発側と一緒にやっていきます」 ──設計の知識も求められそうですね。 「そうですね。やはり量産できないものをデザインするわけにはいきませんから。例えば、カウルなどの樹脂の成形の知識は必要だと思います」