【インタビュー】デザインとエンジニアリングの融合がカワサキの強み! 新顔はハイブリッド2車とNinja 500/Z500
エルゴノミクスを追求するオフロードモデル
──小栁さんが最近もっぱら携わっているというオフロード機種についても聞かせてください。KX450やKX250などですよね。今回は50周年記念モデルもあって、あの青いシートなどはオジサン世代にすごく懐かしく感じられて……。 「オフロードモデルで重視するのはエルゴノミクスです。なにせライダーの前後移動が多いので引っ掛かりがないようにと。また、スリムさにもこだわっています。今回のKXシリーズでいうとKX250はひとつ前の世代の面構成になっていて、シュラウドとサイドカバーが分かれているのですが、最新世代になったKX450はそれを繋げて膝の動きを邪魔しないようにしています。燃料タンクの天面もこだわってフラットにしました」 >>>50周年記念カラーのKX450。
──KXは完全にレーサ―ということもあって、立ち位置としてはNinja ZX-10Rに近いのかもしれませんね。性能と軽さを追求していくのだと思いますが、デザイン要素としてはどのように? 「その中にも流行はあって、最近ですと前後フェンダーが短く、マフラーもコンパクトに追い込むことでマスの集中化とデザインの融合感というか、全てがインテグレートされたような感じになっています。また、『ここをもっと動きやすくしてくれ』といったライダーからの要求が大きいのもこのモデルの特徴です」 ──その中でカワサキらしさをどのように表現しているのですか? 「あまりシャープにしすぎないことで力強さ、ストロングな感じを残しているところでしょうか。具体的には外装の面積の大きさでけっこう変わります。ひとつ前の世代のデザインであるKX250だとフレームをカバーしている面積が狭いことで軽快さはありますが、繊細な感じになっていると思います。KX450ではシュラウドとサイドカバーで力強さを表現するとともに、ニーグリップのしやすさも追求しています。今後はこうした機能的で力強いザインを推進していくことになると思います」 >>>左はKX250で、シュラウドが繊細なデザインに見える。右がKX450だ。フレームの露出量やシュラウド~サイドカバーの繋がりに注目。 >>>こちらが通常カラーのKX450だが、リヤフェンダー内側にあるエアクリーナーボックスまでライムグリーンになっている。