工藤遥が明かす役者になった理由 やっと立てたスタートライン
「いまがスタートな気がしているんです。芸能界に入って10年以上経ちますが、大学生が卒業して就職するのと同じように大人としてのスタートラインにやっと立てた気持ちです。グループの中で、ただただ、がむしゃらに必死に生きてきた毎日も充実していて楽しかったのですが、いまはもう1人できちんと考え行動していかなきゃいけない。お芝居にしても一つずつ考えなければいけないし、立ち振る舞いも観られ方も全部、考えて考えて、自分で答えを出していかないといけない。それを事務所の皆さんと共有して方向性を定めて。そういうことが本当に、『大人になったんだな』って思えるんです」 2017年12月にモーニング娘。とハロー!プロジェクトを卒業し約3年。俳優になった工藤遥は、21歳になった。8日には出演映画「大コメ騒動」(本木克英監督)が公開される。いま工藤は、役者という仕事に何を思い、どう取り組んでいるのか。 【写真特集】大人になった21歳の工藤遥
難しさ感じて入った現場だがその現場に救われた
同作は1918(大正7)年、富山県で米の価格高騰を阻止するべく女性たちが立ち上がった「米騒動」をテーマにした史実に基づく作品で、工藤は私塾の先生・池田雪を演じる。裕福な家庭に生まれたお嬢様的な人物で、暮らしが危ぶまれる中、米騒動に決起した庶民とは異なる立場にある。 「お話をいただいたとき、初の時代劇で着物を着たりかつらをつけることにワクワクした感覚を抱きながらも、他の登場人物とは立場が違うので、みんなとどういうふうに交わって行けるのか、台本を読みながら難しいなと思いました」
撮影は、富山と京都の撮影所で行われたという。難しさを感じながら入った現場だったが、その現場に救われた。 「年齢的に私は若手という状況だったので、先輩方に優しくしてもらいましたし、お声をかけていただけたんです。スポーツのチームのような熱いものがひしひしと感じられる現場だったので、それに私も乗って、熱い気持ちを持ったまま臨むことができ、入り込みやすかったです。何より米騒動の地・富山で撮影できて、しかも富山で生まれ育った本木監督をはじめ、室井滋さん、左時枝さん、柴田理恵さん、立川志の輔さん、西村まさ彦さん、内浦純一さんといった富山出身の役者さんたちも多くいる中で、現場の雰囲気は私をあの時代、あの空間に連れて行ってくれる鍵でもあったなと思っています」