AGA治療では推奨されない治療も行われている!? 事実と異なる定説も解説【AGAのイマ】
AGAの治療法にはどのようなものがあるのか?
編集部: AGAは治療することができるのですか? 栁澤先生: はい。AGAは医療機関において治療をすることができます。AGAは進行性の脱毛症であるため、できるだけ早期に治療を開始した方が、治りが良いことがわかっています。 編集部: どのような治療法がありますか? 栁澤先生: まずはAGAの進行を抑制し、髪の毛を増やす治療法として内服薬があります。たとえば日本の厚生労働省やアメリカのFDA(医薬品管理局)にも認められている薬剤に、フィナステリドというものがあります。 これはAGAの原因となるDHTが作られるのを抑制し、薄毛を改善する働きがあります。 編集部: フィナステリドは薄毛の進行を止めるだけでなく、薄毛を改善する効果もあるのですか? 栁澤先生: はい。進行を止めるだけでなく、太くしっかりとした髪の毛を増やし、薄毛を改善する効果が期待できます。 編集部: そのほかにはどのような治療薬がありますか? 栁澤先生: 同じく、DHTの生成を抑制する薬にデュタステリドがあります。一般に、フィナステリドよりもデュタステリドの方が、効果の持続期間が長く、発毛効果も高いとされており、研究によりデュタステリドの方がフィナステリドの1.6倍効果が高いことがわかっています。 しかしその分、薬価も高額であるため、予算を含めて検討する必要があります。 編集部: 副作用として男性機能の低下を心配する方も多いのですが、実際はどうなのですか? 栁澤先生: 患者さんでもそのように心配されている方も大勢いらっしゃいます。しかし、さまざまな研究が行われており、現在では「男性機能の低下は薬の影響ではない」と考えられています。男性機能の低下は、思い込みと老化によるものではないかと考えるのが定説です。 編集部: 内服薬のほかには、どのような治療法がありますか? 栁澤先生: 頭皮へ直接塗布する治療法もあります。たとえばミノキシジルは液状の塗り薬で、病院で処方される薬のほか、市販薬もあるのでなじみのある人も多いのではと思います。 もともと高血圧の患者さんが血圧を下げるために使用していた薬ですが、臨床実験を行っているとき、多毛症の副作用が報告されたことにより、現在ではAGA治療にも用いられています。