世界が注目する期待の大型新人! ローカルガストロノミーを進化させる新進気鋭のフレンチ・シェフの展望に迫る
本田:いやすごいよ。いろんな思いがあってやっている。普通の料理人の域を超えちゃっているよね。章太の料理はこういう料理ですと言うとしたら、どういう料理? 糸井:まず僕が意識しているのは、うまいこと。うまくて、クリアなんですけど、力強いみたいな。ワインでいうと細マッチョ。余韻がすごく長いワイン。
本田:ブルゴーニュみたいな感じ? 糸井:そういう料理かなと思います。香りとかそういうものは、ここの土地の食材自身が持っているので、それを損なわずに重ねてあげたいですね。僕が思っているすごい料理人というのは、身近にある山菜や野草とか、近くの農家さんの野菜、たとえそれが一級品でなくても、そういった素材で最高の料理を作れる人。それを表現するために技術があると思っていて、スタッフにもそのことを伝えています。もう一つ、意識していることがあって、今、小松、観音下(かながそ)という町で料理をしていて、ここでしか食べられない料理を作るべきなんですけど、ここでしか料理が作れない料理人になってはいけないということです。どこに行っても最高の料理を作れるように知識と技術を身につけること。それをスタッフにも伝えています。
本田:2年間やってみてどう? 糸井:やっと、オーフらしさみたいな空気感とか、料理やドリンクも含めて、少しずつ形になってきたかなと思います。この2年は土台作りみたいなイメージで、3年目を一つの起点にしたいですね。それが、今、チームとして表現できつつあると思うんですよ。そのことをより多くのお客様に伝えていきたいですね。
糸井:もちろん料理とか、提供していくものは常にレベルアップしていきたいですね。それはチームの目標です。オーフをどう成長させていくかは、オーフ自身が評価されないといけないと思っています。日本だけじゃなく、世界中からお客様を呼べることを目標にしています。今の時代、世界は近くなったと思うので、本当にいいものがあれば、ここに来てくれると思っています。チームと話し合いながら、そういう動きを今後はしていきたいですね。