世界が注目する期待の大型新人! ローカルガストロノミーを進化させる新進気鋭のフレンチ・シェフの展望に迫る
本田:小松にいることのメリットもたくさんあると思うんだけど、デメリットの部分でいうと、なかなか、外の地域の人とコミュニケーションが取りにくい。世界的なシェフたちを見ても、シェフ同士の横の繋がりがある。昔は、海外って、シェフ同士で競争して、ずっと蹴落としあったりしていたけど、今は、共に戦うようになっている。そういう人たちの方がうまくいくんだよね。もちろん、一匹狼で、誰の話も聞かなくて、オリジナリティをとことん突き詰める人とかもたまにいるけどさ。章太はどっちかといったら、一匹狼でゴリゴリやるタイプじゃないよね。シェフ同士の繋がりがあった方が利益にもなるだろうし、新しい何かが生まれるかもしれない。
糸井:それは間違いないですね。今後、そういう機会を増やせていけたらいいなと思っています。今年6月、タイのバンコクでシェフのイベントがあって、行ってきます。 本田:海外の人とは繋がっておいたほうがいい。刺激にもなるだろうし、料理人のあり方とか生き方とかが日本とはまた違う。せっかくバンコクに行くんだったら、トン(トン・ティティッ・タッサナーカチョン氏)に連絡して、会いに行ったらいいんじゃない。トンのレストランは、去年、アジアNo.1になっている。すごく人もいいし、いろんな繋がりあるシェフだから、仲良くなると一気に広がるよ。 糸井:「Sorn(ソーン)」にも食べに行こうと思っています。 本田:あとは、トンがやっている「NUSARA(ヌサラー)」や「Le Du (ル・ドゥ)」。 糸井:どちらも去年も今年も「アジアベストレストラン50」に入っていますよね。
本田:糸井章太という個人で考えると、将来はどういうふうにしていきたい?
糸井:現場が好きなんで、現場に居たいというのはあります。あと、親が教師なので、その影響があるかもしれませんが、教育にも興味があります。レストランの若い料理人たちへの教育とか子供たちの食育とかやってみたいですね。シェフなんですけど、いろんなところに良い影響を与えられる動きをしていきたいです。シェフっていろんな分野に影響を与えられると思うんですよ。シェフの持つ料理などの知識が加われば、もっと良くなる業種とかがたくさんあるんじゃないかな。そういうことに絡んでいきたいですね。 本田:シェフって今までだと自分で店持って、店にずっと立ってというキャリアしか考えられてなかったけど、今はそんなことないからね。いろんな可能性がある。 糸井:料理は、もちろん大事なんですけど、それが全てではないとも思っています。 本田:料理ってコミュニケーションツールでもあるかなと思っていて。料理を媒体にいろんなことが起こる。料理があると、言葉も超えるしね。 糸井:本当にそうだと思います。 本田:まだ今32歳だっけ 糸井:今年、32歳になります。 本田:やれることはたくさんあって、いいね。楽しみだね。 糸井:やれることをやりきりたいですね。楽しんで。 本田:ありがとう、非常に面白かったです。 糸井:ありがとうございます。
Auberge eaufeu
住所: 石川県小松市観音下町ロ48 TEL: 0761-41-7080
取材:本田直之、食べログマガジン 文:小田中雅子