世界へ発信する、ドメスティックブランドの新店&リニューアル店に注目!
【青山】 アンリアレイジ フラッグシップショップ
パッチワークに特化した、斬新な試みの実験場 アンリアレイジがアトリエのある本社1階にコンパクトな店を構えたのが2017年。このたび23年に、特殊な品揃えに絞ったコンセプチュアルショップへと進化した。その品とはブランド設立当時から欠かさず制作を続けているパッチワーク。約20年間アンリアレイジと苦楽をともにする国内職人との共同作業で生み出した生地が店内を彩る。ブランド初となるパッチワーク生地のオーダーメイドサービスも展開。テキスタイル、色、サイズなどを選んで注文できる。アンリアレイジのフィルターを通した自分だけの一着が手に入る、魅惑の企画である。
【青山】 サカイ アオヤマ
2011年誕生の旗艦店が、満を持してアップデート コンクリートむき出し……というよりもむしろ建築物を壊す途中のような、アーティスティックな空間。グレーと白で統一された無機質で冷たさもある内装と、さまざまな服を一着にミックスするサカイ流の有機的な服や小物とのコントラストが力強い。「再生と破壊」をテーマに掲げる建築デザイナーの関祐介と、ブランドのクリエイティブ哲学が共鳴して生まれた空間だ。欧米、アジア問わず知名度の高いサカイにして、旗艦店は世界中でここだけ。商業施設で展開するサカイの店では得られにくい、ブランドのエッセンスが詰まった、まさしく行く価値のある店だ。
【青山】 オーラリートーキョー
元アトリエの地下空間を、拡張して2フロアに 2018年にパリコレに進出して以来、パリでの新作発表を続けるオーラリー。上質な素材を使いながら奇をてらわないベーシックで、誰もが着やすいリアルクローズだ。2017年にオープンした初の直営店のリラックスした空間は、23年の地下増床リニューアルでも踏襲されている。設計を担当したのはアーキタイプの荒木信雄。床を絨毯敷きにし、底面より一段高くして、日本の座敷の風情を出した空間づくりは今回も健在。大きな鏡も配された室内では、全身をじっくり眺められる。本当に満足のいく買い物ができる、訪れる人々に優しい配慮がなされている。
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