新NISA開始から一年、初心者の半数に悩みや不安「暴落が不安」「今の銘柄でよいのか」 知識不足解消にFPに聞いたNISAの点検方法は #くらしと経済
NISA初心者、知識不足に不安 関心高くても「どうしていいかわからず」
では、この一年でNISAを始めた初心者たちは、どのような悩みを抱えているのか。この一年は、日経平均株価が激しく変動した時期もあり、7月に最高値の4万2000円台を記録してすぐの8月5日には4451.28円の歴史的急落を経験。アンケートでは、「暴落する不安が常につきまとう」「専門家は直近の乱高下はあまり気にしないでよいと言うが、やはり下がると心配になってしまう」と乱高下おびえる姿に加え、「とりあえずオルカン(投資信託の銘柄『eMAXIS Slim 全世界株式〈オール・カントリー〉』の略称)のみ、で本当にいいのかわからない」「今の銘柄で本当によいのか不安」と自信がないまま投資を続けている姿も浮き彫りになった。 この一年でNISAを始めたと回答した人の67%が、保有している投資信託について基準価額の値動きや利益の確認を「毎日~週に1回はしている」または「月に数回している」と回答。関心高く投資を続けている様子がうかがえた。一方で、この一年でNISAを始めたと回答した人の46%がNISAに関して悩みや不安が「ある」と回答。具体的には「知識が不足している」「まだよく理解していない」「SNS上に様々な情報が飛び交っていて、何が正しいのかよくわからない」という声が多く上がった。
一方で、基準価額の値動きや利益の確認を「ほとんどしていない」「なにもしていない」と答えた人も22%いた。さらに、この一年で、NISAで保有している銘柄の積立額を増減したり保有銘柄を売却したりしたことのない人はおよそ半数。その理由として「どうしていいかわからない」と回答した人が最多だった。 この状況を専門家はどうみるのか。 CFP ファイナンシャルプランナー・植田英三郎さんは、「NISAの資産状況を頻繁にチェックしている方が多かったのは意外でした。一方で、知識不足に不安を抱えている方や、よくわからないまま投資を続けていることにすっきりしない気持ちの方も多いようです。チェックしている人が多いのはいいことだけれど、投資信託の仕組みや用語の意味、ご自身の金融資産の全体像などを、より深く把握することで、不安を解消する一助になるかもしれません」と話す。