タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
11月22日(金)、愛知・岐阜県を舞台に開催されている2024年WRC世界ラリー選手権第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2024』のデイ2午後は、スペシャルステージ(SS)5~9までの5本が行われ、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合首位に立っている。 【写真】総合4番手を走る勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)/2024年WRC第13戦ラリージャパン 日本人ドライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合4番手でデイ2を終えた。 午前中にはSS2~4の3本が行われ、0.7秒の僅差でエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)がトップに立っていた。 しかしタイヤフィッティングゾーンで軽整備を経て迎えた午後の一本目『伊勢神トンネル2』ではペースが伸びず、ステージトップのオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)と14.4秒差となって総合順位でも後退してしまう。 一方、午前中に突如ペースダウンするシーンがあった選手権首位のティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)は、タイヤフィッティングゾーンでチームのメカニックと問題解決を試みていたが、解消にはいたらなかった様子。スローペースのままに走行を続け、2分半遅れの完走が精一杯であった。 そして、このSS5ではヒョンデ・シェル・モービスWRTのアンドレアス・ミケルセン(ヒョンデi20 Nラリー1)が痛恨のクラッシュ。深い林道の低速コーナーでアンダーステアとなって土壁に乗り上げ、コントロールを失って立木に衝突してしまった。 これでラリージャパンのリードを手にしたタナクは、続くSS6『稲武/設楽2』でもスパート。連続ステージウインをあげ、エバンスに対して20.4秒のリードを築く。 SS7『新城2』が始まった16時ころには、気温も13度に下がり、若干の雨も降り始めた。そんななか、午前の同区間で速かったエバンスがふたたびここでトップタイムを刻んでいる。しかしタナクも譲らず0.4秒差の2番手タイムとなり、依然リードをキープしている。 そして18時35分からは、岡崎中央総合公園の敷地内にて、パーテーションを使ってレイアウトされたスーパーSSを2度走行した。集まった観客の前で、巨大味噌樽を中心にドーナツターンを披露しながら各車アタックし、1回目、2回目でともに勝田がトップタイムをマークしてデイ2は終了となった。 本格的なフルデイ初日を終えた時点で、総合首位タナクはエバンスに対して20.9秒のリードを築いた。 日本人ドライバーの勝田は、午後のステージでは安全マージン内でペースをコントロールしていたか、午後の3本を終えて時点でアドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)に総合3番手のポジションを奪われてしまった。デイ2最後のスーパーSSでは、2度トップタイムを刻んでフルモーとのギャップを詰め、0.1秒差で表彰台圏内目前の位置を確保している。 明日23日(土)はラリーも折り返しとなり、暫定ポイントも決まる重要な一日となる。走行は、SS10からSS16の計7ステージが行われ、ステージ総距離は103.87km、リエゾン(公道区間)もふくめた1日の総走行距離は392.13kmだ。 [オートスポーツweb 2024年11月22日]