人波の面影 新たな風吹く 和歌山・ぶらくり丁商店街 昭和100年 まちの今昔
■レトロブーム
そんな中、近年注目されているのが「北ぶらくり丁商店街」。昭和の雰囲気を残した建物や看板を生かした店がオープンし、「昭和レトロ」のキーワードでSNSで取り上げられるケースも増えている。
ゴム製品販売店だった建物に出店したうどん店、元結納品店の看板を生かしたお好み焼き店、かつて釣り道具店だったカフェなど。古いアパートをリノベーションした小さな映画館や、商店街外ながら近くに個性的な書店も現れた。
「以前のような雑踏はないけど、長時間滞留している人がいるし、けっこうおもしろい場所になってきている」と、同商店街振興組合副理事長で時計店を営む平松博さん(68)。「それぞれの店が商売できている。今後も楽しみだ」と手応えものぞかせる。
昨年秋には、商店街の将来を見据え、道路の生かし方などを探るための社会実験を実施。定期、不定期のイベントも行って話題を提供しており、エネルギーを感じさせている。(山口淳也)