亀田興毅氏「3150FIGHT」皇治×ヒロキング異色マッチはJBCルールに違反していないのか…「昔の亀田家と違う。優等生でやる」
ただ、チケットは同じで皇治戦を目当てに購入するファンは多いだろう。まして大阪で人気のある皇治の動員力には定評がある。そうなると「ボクシング興行とは別のテレビイベント」との論理も苦しい。 その点を亀田氏に質問すると「チケットに皇治の文字は一切書いていない。皇治戦を発表するまでに十分にチケットは売れているので関係ない」と説明した。 皇治の試合の前にJBCのオフィシャルは、すべて引き上げることになる。試合の安全管理や健康管理面への不安が残るが、亀田氏は万全の医療体制を整えていることを明かした。「万が一の危険は考えておかねばならない。JBCが整えている体制に変わらぬ体制を用意している」 ただ一方でボクシング関係者からは疑問の声も上がっている。 ある協会関係者が言う。 「ボクシング興行が終わった時点で、一度、お客さんすべて退出してもらい、皇治戦は別のチケットにするか、あるいは半券を示すなど、もっと明確にJBCの管轄外イベントであることを示す必要があると思う。ルールが改正されていない以上、非ボクシングを認めないという方針が、なし崩し的になることに問題がある」 JBCは26日に実行委員会を開くが、その際に亀田サイドと協議を行ってきた成富毅事務局長に、今回の皇治戦を認めた経緯の説明を求めるという動きも出ている。 亀田氏は、昨年12月にもメルパルクホール大阪でJBC管轄外のスペシャルマッチとして但馬ミツロと元WBFクルーザー級王者で、その後、格闘技へも挑戦した西島洋介氏とのエキシビションマッチやお笑い芸人とプロレスラーとのスパーリングなどを興行に組み込んだ。 波紋を呼びながらも異色のチャレンジを続ける理由をこう語る。 「ボクシングはキングオブスポーツですよ。ボクシングを最大にリスペクトしているからこそ、なんとかしたいんです。盛り上げたいし、今のままではあかんという危機感があるんです。井上尚弥選手の活躍での盛り上がりもあるが、4回戦や、ボクシング界の土台を支える部分は、まだまだ変わっていませんよ」 今回の興行から初めてメインのプロモーターとなった亀田氏はファイトマネーの仕組みを従来のボクシング界の常識から変えたという。 「いまだに4回戦の選手のファイトマネーはチケットで6万円分渡されるだけというのが実情。そこからジムに3割取られ2万円を払うところもある。今回は全部現金の支払いで倍額にした。4回戦では12万円。そういうところから変えていかない盛り上がっていかない」 クジ引きで、4回戦ボーイが皇治と対戦することになったが、ボクシング人口を含めた裾野を広げるという意味では、このマッチアップにも意義があるのかもしれない。 そして、こうも訴える。 「本当はJBCのルールも変えていかなければいけない。時代にそぐわない部分がいくつかあると思う」 ルール変更にはまだ議論は足りないし、それを求めるファンの声も大きくはない。 亀田流の改革がボクシング界に風穴を開けることになるのか。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)