海外メディアは井岡一翔のリベンジV5を「一方的に差をつけた」と称賛…次戦候補にロマゴンの名前も
プロボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(33、志成)が13日、大田区総合体育館で、元4階級制覇王者で同級1位のドニー・ニエテス(40、フィリピン)との防衛戦に臨み、ダウンシーンはなかったが、ジャッジの1人がフルマークをつける内容で圧倒し、3-0判定で5度目の防衛に成功した。両者は2018年の大晦日に同王座決定戦で対戦し井岡が1-2判定で敗れていた。海外メディアも井岡のリベンジ成功を称えた。
「ロングレンジで戦いボディを狙う巧妙な作戦」
バンタム級の3団体統一王者である井上尚弥(大橋)をパウンドフォーパウンド1位として評価した米の権威あるリング誌は、「井岡がニエテスへのリベンジを果たし、WBOの115ポンド(スーパーフライ)級タイトルを保持」との見出しを取り伝えた。 記事は、「両選手はジャブを効果的に使い、試合の大部分はロングレンジで戦われた。だが、ボディーを狙う巧妙な作戦を使い、試合を進めるにつれて実を結ばせていったのは井岡の方だった。中盤までにニエテスのパンチが減った。井岡は、年齢を重ねた相手の苦境を察知して圧力を加え始めた」と試合内容を分析。 タイトルを防衛した井岡について「33歳のテクニシャンは、(2018年の大晦日に)ニエテスに負けて以来、このタイトルの支配を続けている」と紹介した上で「彼の犠牲者となったボクサー」として、王座を奪ったアストン・パリクテ(10回TKO)、初防衛戦のジェイビエール・シントロン(12回判定)、V2戦の田中恒成(8回TKO)、V3戦のフランシスコ・ロドリゲスJr.(12回判定)、V4戦の福永亮次(12回判定)と、ここまで井岡が勝利してきた5人の名前を列挙した。 さらに同誌は井岡の今後について「彼のゴールは、今、ファン・フランシスコ・エストラーダ(リング誌王者、WBAスーパー)、ジェシー・ロドリゲス(WBC王者)、フェルナンド・マルティネス(IBF王者)との王座統一戦を行うことだ」と記した。 井岡は、一度は対戦が決まりながらも流れた元IBF王者のジェルウィン・アンカハス(フィリピン)と、現王者マルティネスの再戦の勝者と大晦日に統一戦を行うことをターゲットとしている。 ボクシング専門サイトの「ボクシングシーン」は「井岡がニエテスに決定的な差を付けてWBOタイトルを防衛し2018年に敗れたリベンジを果たす」との見出しを取り「井岡が殿堂入りへの過程の中での戦歴に加えた」と称えた。 記事は、試合内容を詳しく伝えた上で、井岡の今後について「井岡は、過去の敗戦のリベンジを果たし5度目のタイトル防衛に成功した。彼のチームは今年の終わりに統一戦を望んでいる」と紹介。その統一戦のひとつのターゲットとして「昨年大晦日に当時IBFの王者だったアンカハスと対戦予定だったが新型コロナの感染予防策として外国人旅行者に対して国境を閉じる政府の決定により試合が中止された。そのアンカハスは、アルゼンチンのマルティネスと2月に対戦してベルトを失った。時期や場所は確定していないが、両者の再戦が行われようとしているようだ」とした。