阪神、守乱と隠れエラーの逆転負けに金本監督「もういいでしょ」とあきれた
阪神が2日、神宮球場で行われたヤクルト戦をまた守乱が原因で1-4のスコアで落とした。記録に残ったミスは、キャンベルがファウルフライを落とした落球、勝ち越し点となった上本のフィルダースチョイス、梅野の捕逸、打撃妨害だが記録に残らない隠れエラーも出た。6回まで1失点と好投した先発、秋山を援護どころか、ミスのオンパレードで負け投手にしてしまった。阪神の続出する守りのミスはもはや深刻な状態にある。 それは隠れエラーだった。 1-0で迎えた二回二死から中村のレフト頭上を襲う打球を追って下がった高山は、追いついていながらも最後はバンザイする格好でグラブに当てながら落球、そのまま尻餅をついてフェンスに背中をぶつけた。記録は二塁打。もっと半身になって背走して十分に下がってから反応しなければならなかった。 直後に谷内にフルカウントからボール気味の変化球をレフト前へ拾われて同点。プレーボール直後の高山の先頭打者初球アーチも帳消しである。 守備のあたふたは、これだけでは終わらない。4回二死から中村の一塁ファウルフライをキャンベルがグラブに当てながら落球(記録は失策)。6回一死からは、ピッチャーマウンド上空に上がった山田の内野フライを、キャンベルと上本、鳥谷の3人が、なんとお見合いしてしまう。記録はヒット。完全なキャンベルのボールで、試合後、新助っ人も「私が声を出した。私が捕らねばならなかった」と反省を口にした。 これが大スランプの山田の27打席ぶりのヒットになった。意外と、こういうヒットが眠っている山田をこの3連戦で目覚めさせることになるのかもしれない。キャンベルは、この回、雄平の正面の一塁ゴロもジャッグルして封殺はしたが併殺は取れなかった。幸い失点にはつながらなかったが、こういうミスは、じわじわと打線の巡りなどに、しわ寄せを生むのである。 1-1で迎えた7回に続投した秋山は、先頭の中村に右中間を破られた。糸井の打球の追い足が遅く、三塁打にしてしまった。これも隠れエラーである。確かに糸井は肩は強いが、打球に対するスタートとダッシュ力が致命的に悪い。センターとしての守備力には疑問が残り、オリックス時代に福良監督が、センター失格の烙印を押してライトで起用した理由もよくわかる。 内野は、当然、バックホーム態勢を敷いた。一死となってから代打・大松には引っ掛けさせた。だが、それがかえってタイミングのゆっくりなバウンドのセカンドゴロとなった。三塁走者の中村はギャンブルスタート。上本のバックホームも梅野の胸元には行ったが、コリジョンルールの壁を打ち破ることはできなかった。 複数の阪神首脳陣は、「やれる限りの守備。コリジョンと打球、走塁の好スタートを考えると上本を責められない」と、上本をかばったが、ほんの一瞬だがバウンドを合わせにいこうと出足が止まっていた。 送球もタッチの場所を考えると、決して理想のストライクではなく、100パーセントのプレーではなかった。記録はフィルダースチョイス。これをアウトにするほうが奇跡的なファインプレーなのかもしれないが、その奇跡を見せて欲しかった。いや、阪神タイガースのレギュラーセカンドを張るのならば、見せなければならなかっただろう。