「子どもの食が進まなくても、気にしない!」美食の国、フランス流“食育”の3つのルール
フランスの子どもは好き嫌いしない !?
離乳食を始めたけれど、思うように進まない。子どもの好き嫌いが多くて食べるものが偏ってしまう。など、子どもの食に関する悩みは育児につきもの。 【こちらも話題】フランス人が“夜泣き”で悩まないのはなぜ?日本とフランスの「子育て」の決定的な違い 今回はフランス式育児アドバイザー・レロちひろさんの著書『フランス人の赤ちゃんは朝までひとりでぐっすり眠る』より、フランス流食育のルールについてご紹介します。赤ちゃんの頃から「子どもの自立を促す育児」が基本のフランスでは、どのような食育をするのでしょうか。
嫌いなものも必ず一口食べさせる
美食の国フランス。フランス人は食育に関してもフランス流があります。それは、「嫌がっても必ず一口は食べさせる」ということです。 それは離乳食のときも例外ではありません。日本ではおかゆから始まる離乳食ですが、農業大国フランスでは、にんじん、かぼちゃ、さつまいも、いんげん、豆類などの栄養があって甘みのある野菜から始めます。そして、赤ちゃんのときから、子どもが嫌がって食べなくても、過剰な反応はしないのがフランス流です。 ほかのことと同様、食に関しても、毅然と親が決めたルールが存在します。ほとんどのフランス人の親は、「無理に全部食べる必要はない。ただし必ず一口は食べること」というルールに沿っているようです。 子どもがその食べ物を嫌いでもかまわない、でも必ず一口食べさせます。一口食べれば、それ以上食べなくても気にせず、無理に食べさせることはあまりありません。 夫も子どもの頃、嫌いなものが一品料理でどんと出てきたことがありました。そのとき、義母から「嫌なら一口食べたらそれ以上食べなくてもいいわよ。だけど、夕食はこれしかないから」と言われたそうです。 こんなとき「にんじんが嫌いなのね。じゃあ代わりにトマトを出そうか」「代わりに何を食べる?」などと子どもに合わせることはせず、「今日のメニューはこれですよ」と、大人がコントロールするのです。
食べないのはその味に慣れていないから
「必ず一口食べる」というルールが存在するのには、理由があります。フランス人は、「はじめてのものを出して、喜んで食べないのは当たり前。なぜなら子どもは新しい味に慣れていないから」と考えます。 子どもが食べるようになるためには、まず味に慣れる必要があると考えるのです。だから、はじめて出したときに子どもの食が進まなくても、気にしません。一口だけ口にさせ、そして繰り返し出すことで少しずつ新しい味に慣れさせます。 子どもにとっても強制されるのは一口だけなので、たとえその味が好きでなくてもそれほど心理的な負担はありません。もしこの本を読んでいるあなたがすでに離乳食を始めているのであれば、2、3回出してみて子どもに拒絶されると、それだけでその食べ物は好きではないのだ、と決めつけてしまってはいないでしょうか。 あるいは「この前あまり食べなかったから、この食べ物を作るのはやめておこう」と次の機会に出すことを躊躇してしまっていないでしょうか。 そういうことを繰り返しているうちに、出すものは子どもの好きなものばかりになってしまいそうです。その結果、子どもが食べる食材が偏ったり、レパートリーがマンネリ化してしまったりして、悩んでいる親も多いですよね。 また、「残さず食べなさい」と強要し過ぎて、子どもがかえってその食べ物を嫌いになってしまったり、こっそり大好きなハンバーグに嫌いな野菜を細かく刻んで入れて食べてもらうことに情熱をかけてしまったり……。 「一口だけ必ず食べさせる」 「食べなくても代わりのものは出さない」 「子どもの好き嫌いに合わせず、好きでないものも出し続ける」 というルールにのっとって、子どもが食べても食べなくても気にせず一喜一憂しない。そう決めてみると、子どもの食に関わるストレスも減るかもしれません。