最幸の食体験を提供する「アルギュロス」が西麻布にオープン!
「スッポンとハーブ」は長崎のスッポンと広島県「梶谷農園」の11種のハーブと4種のエディブルフラワーをふんだんに使い、スッポンの煮凝りとコリンキーを合わせ、赤ワインヴィネガーで作るヴィネグレットソースでサラダ仕立てにした華やかな一皿です。
「店のオープンにあたり食材探しで初めに訪れたのが広島県の『梶谷農園』でした。摘みたてのハーブがどれだけおいしかったか。
今まで扱ってきたものとは全然違いました」と、フランスでの修業先「マルクベラ」のハーブを多用した料理の味と、味だけでなくその多彩な香りに感銘を受けた岡崎さんにとって、ハーブは最重要の食材の一つ。一口ごとに変化する15種類の香りはその味わいとともに口中を楽しませます。
そのハーブとエディブルフラワーの中から顔を出すのはスッポンの煮凝り。スッポンをサラダに使うことにまず驚きましたが、ハーブに隠れていた煮凝りのぷりっとした食感とうまみが口に広がり、さすが高級食材のスッポン!と思わせる名脇役ぶりに岡崎さんの意図を感じます。
こちらは函館の「小西鮮魚店」の時不知(ときしらず)を使った一皿。神経締めした鮮度抜群の時不知は皮目だけを香ばしく焼き、ミ・キュイしています。上にはフランス・ゲランド地方に珍しく南風が吹いた時にだけ採塩し伝統的製法で作られた非常に希少な塩「ゲランド フルール ド セル 南の風」をひとつまみ、最後にディルオイルをかけています。
ソースは椎茸で作ったソースとブールブランソースを2層にしています。「福島県で見た野菜で一番印象に残ったのが小椋さんの椎茸でした。この椎茸をいかにおいしくするかと考えたらピューレだと思いました。
ポタージュくらい濃厚でうまみも香りも強いのでバランスを取るためにブールブランソースを合わせました。バターを使わず葛粉で濃度をつけているので口当たりが軽く味わいだけが残ります」と岡崎さん。食材それぞれが主張するも見事に調和させた岡崎さんの手腕に胃袋が掴まれます。