東大生が自然とやってる「要するに」という考え方 抽象度が高い子は、俯瞰的に物事が見える
【相談】 中学3年の息子がいます。幼なじみの子がいて、小さいときから、一緒の学校、一緒の塾に行っていました。仲がいいので、勉強も一緒にやることが多かったです。しかし、小さいときはあまり気にならなかったのですが、中学になり、幼なじみの子と歴然とした差がついていることに戸惑っています。うちの子は真面目に勉強するほうですが、それでも、幼馴染の子は、はるかに勉強ができます。地頭の違いかと思いますが、同じような学びをしてきているのに、なぜこのように差がつくのかわかりません。どのような背景があるのでしょうか?
(仮名:木村さん) ■「考える状態」にして後天的にスペックを引き上げる 記事(「同じ学校、同じ塾」でなぜ成績に差がつくのか)の続きをお届けします。 同じ勉強をしていて差がつく理由は、地頭(パソコンで言うOS)のスペックの違いというお話を前回しました。しかし単純に、生まれた段階で一生のスペックが固定化するものでもなく、後天的にスペックを引き上げていくことが可能です。 地頭の正体は「考える力」であり、その考える力を引き上げるための「問いかけ言葉」があります。筆者はそれを、マジックワードと呼んでいますが、そのマジックワードを使うことで、人を自然と「考える状態」に誘うことができます。
考える力を大きく因数分解すると次のようになります。 考える力=「疑問を持つ力」×「まとめる力」 この2つの力を合わせて使うことで、頭脳はほぼ間違いなく「考える状態」になります。つまり、地頭(OS)のスペックを上げていくことができるようになります。 「疑問を持つ力」を引き出すための問いかけ言葉は前回解説したので、今回は2つ目の「まとめる力」についてお話しします。 「まとめる」という言葉を別の言葉で表現すると「抽象度を上げる」になります。
抽象的、具体的という言葉があります。抽象とは簡単に言えば「ざっくり言うとこういう感じ」というものであり、具体とは「はっきりとしていてわかりやすいもの」というイメージです。 そこで「抽象度が上がる」とはどのようなことか、わかりやすくするために、次のような例え話をします。 ■見る視点によって、人は判断や認識が変わる 例えば、山田さんがチワワを飼っていました。石川さんもチワワを飼っていました。山田さんのチワワも石川さんのチワワも具体的ですね。具体的な世界というのは比較、争いが起こります。山田さんはこういいます。「石川さんのチワワは耳大きすぎない? うちのチワワのほうが断然可愛いわ~」。しかし、山田さんのチワワも石川さんのチワワも、「チワワ」というカテゴリーに入っています。つまり同じですね(具体的世界は、違いばかりが目につくため、いじめ、差別が起こりやすい世界です)。