東大生が自然とやってる「要するに」という考え方 抽象度が高い子は、俯瞰的に物事が見える
では、次に気になるのは「抽象度を引き上げるためにはどうしたらいいか」ということです。 そのためには、次のような問いかけ言葉を子どもに使ってみてください。 「要するにどういうこと?」 人は「要するにどういうこと?」と問われると、枝葉をそぎ落として、幹だけを選択するようになります。つまり、まとめる作業を自動的に行うようになります。 先ほどの犬の例で言えば、「チワワって要するに何?」と問われれば、「犬」となります。「犬って要するに何?」と問われれば、「哺乳類」となりますね。つまり、「要するに?」と問われると抽象度は自然と上がっていきます。
できる子は、自分で「要するに何?」とまとめることを“自動的”にやっています。文章を読んでも、「要するに何を言っているの、この文章は?」とか、数学の問題をやっていても、「要するにどういうこと?」「要するにどういうパターン?」と自問自答を無意識にしています。 ■雑談の中でマジックワードを織り交ぜる 木村さんのお子さんは中学生なので、親が子どもに勉強を教えることは容易ではないと思います。ですから、日常生活の中での雑談の中で、このマジックワードを織り交ぜることをお勧めします。すると、頭脳は「考えるモード」に切り替わっていきます。または、この記事を子どもに紹介してもらってもいいですし、次のようなことを子どもに教えて伝えてみるのも効果的です。
「勉強しているときに『要するにどういうこと?』『簡単に言うとどういうこと?』『コツは何?』と自問自答すると、大切な部分(ポイント)が見えてくるみたいよ。ポイント(幹)がつかめると、その他の部分(枝葉)も理解できるようになるようだから、試してみるのもいいかもよ」 実践するかどうかわかりませんが、少なくとも、子どもの頭には、「要するに」という言葉が残ると思います。もしそれが機能すれば、これまでとはまったく異なる“景色”が見えてくることに子どもは驚くと思います。
石田 勝紀 :教育デザインラボ代表理事、教育評論家