更地より割安「古家付きの土地で家づくり」はメリット大。宅建士が実体験を解説
売主が古家付きで売却を望んでいる土地は業者も敬遠
一般的に条件がよい土地や、値段が安い土地というのは、建売業者や建築条件付きの土地として売り出したい住宅会社が、すぐに購入してしまいます。そのため、一般のユーザーがポータルサイトで目にすることは多くありません。 なぜ、こうした業者がいち早く土地を購入できるかというと、理由は2つあります。 1.相続した物件を売却しようと、土地の一括査定サイトを利用した人に、業者が先にアプローチをかけて物件を購入する 2.業者と不動産関係者間のネットワークがあり、そこで情報を早めにキャッチし、市場に売りに出される前に手続きをすませてしまう 不動産会社としても早めに売却したいので、買う可能性がある建売業者などに、事前に情報を流したりします。また、こうした業者に売却する場合は、ローン特約などをつける必要がなく、買い手のローンの審査を気にする必要がありません。 ですから、不動産会社にとっても、売却がしやすい相手になります。結果、一般のユーザーが、掘り出し物といえるような土地に出会うことは難しくなります。 しかし、売主が中古物件としての売却を望んでいる場合、こうした業者が手を出しにくくなるので、一般ユーザーでも掘り出し物の物件に出会える可能性が出てきます。
実際に購入したからわかる古家付きの土地のメリット
ここからは、古家付きの土地を購入し、その後、ハウスメーカーで家を建てた、筆者が感じたメリットをお話します。
●購入後の選択が多い
古家付きの土地を購入すると、その家をリフォームして住むという選択肢が生まれます。また、リフォームする場合も、フルリノベーションして住み続けるのか、それとも必要最低限のリフォームだけして数年後に建て替えるのかなど、新築で家を建てるという以外の選択肢があります。 不動産の価値としては、築20年程度でゼロとなってしまいます。しかし、築20年程度ならリフォームすれば十分に住み続けることが可能です。そのため、ライフステージや予算などに応じて、柔軟に対応できます。 わが家の場合は、最初はフルリノベーションをして住もうとも考えました。しかし、リフォームを相談した工務店の方に、「柱や基礎などの状態次第では、建て替えたほうが安くなる」と言われ、簡単なリフォームだけをし、5年程度住んだあとに建て替えるという選択を選びました。