はやぶさ2、リュウグウ観測状況は? JAXA会見(全文1)予定通りの軌道に分離
分離運用の概要
続きまして11ページ目に移りますけれども、MINERVA-II2、ローバ2の分離運用についてでございます。2018年、昨年の11月8日に記者説明会におきまして、MINERVA-II2、ローバ2の状況を東北大学のほうから発表がありましたけれども、有意義な成果を得るための検討をJAXAと実施、ということで、検討会を「はやぶさ2」プロジェクト、それから東北大学、九州工業大学、それから米国コロラド大学等にて実施をしまして、コンソーシアムの方針としましては、後ほど吉田教授からお話があると思いますけども、小惑星表面への着陸、それから小惑星表面への降下中に有用な科学的成果を取得する、ということで、高度1キロメートルほどで分離するということになります。 期待される効果としましては、1つは理学的成果としまして、リュウグウの重力場の推定の高精度化に寄与すること。それから工学成果としましては、小型機の高高度からの分離・着陸、その飛行軌跡解析をするということが挙げられます。 運用方針としましては、東北大学と合意済みですけれども、ローバ2を高高度、約1キロメートルで赤道方向に分離する。東北大学の情報によりますと、分離装置による分離速度は秒速13センチメートルから17センチメートルということですので、この条件で分離シーケンスを組み、分離後のローバ2を「はやぶさ2」の光学観測にて可能な限り追跡するということで、シーケンスを組んでおります。 具体的なシーケンスが12ページ目になりますが、リハーサルを行ったターゲットマーカーと基本的には同じシーケンスを予定しておりまして、9月28日午前9時、日本時間にホームポジションから徐々に降下を開始いたします。ゆっくりと降下を開始しまして、予定では10月2日の深夜になりますけども、10月3日の午前0時から2時の間にローバ2の分離、高度1キロメートルになりましたらローバ2の分離を赤道方向に行う予定でございます。下がったり上がったりした図になっておりますけれども、これは表面からの高度になりますので、実際には中心に向かって徐々に降下をしていきますけども、こういうふうに記述させていただいております。基本的にBOX-C運用ということで、観測高度としましては8キロから10キロメートルぐらいの間で、光学観測ということでカメラ、ONC-T、W1等を使いまして、ローバ2を、追跡を試みるということです。その後、ホームポジションに復帰するというシーケンスになります。 以上が分離運用の概要でございます。じゃあ次の説明を、吉田先生からお願いします。