はやぶさ2、リュウグウ観測状況は? JAXA会見(全文1)予定通りの軌道に分離
分離運用リハを16日に延期
久保田:それではターゲットマーカー分離運用につきまして、まず7ページ目で一時延期についてご説明いたします。ローバ2、MINERVA-II2の分離運用のリハーサルとしまして9月5日に予定しておりました分離運用を、9月16日に延期した次第です。これはすでにご案内しておりますけれども、探査機が8月29日にセーフホールド状態になったため、リハーサルの日にちを変更した次第でございます。 セーフホールドというのはご存じのとおり、何か異常を検出した場合に、スピンを掛けながら太陽方向を指向して姿勢を安定させるということで、「はやぶさ2」の場合には小惑星リュウグウの近くにおりますので、リュウグウから離れるということも行っております。これは、【深宇宙探査機 00:04:00】では特に、何かあったときにはまず安全・安定な状態にして考えようということにしておりますので、そういうことが起こりました。 起こった内容ですけれども、3つのリアクションホイールで姿勢は安定してたんですけれども、地球帰還前に予定しておりました予備のリアクションホイール、「はやぶさ2」では4機搭載しておりますので、予備のホイールの動作試験をしたところ、異常なデータを検出しましたために探査機は自律的にセーフホールドに移行した次第でございます。詳細につきましては現在調査中でございます。探査機としては姿勢も安定していたんですけれども、予備の試験中にデータに異常を見つけましたので、より安全のためにセーフホールドに入ったという次第でございます。このため復帰もすぐできたんですけれども、分離運用のリハーサルを16日に延期した次第でございます。 8ページ目に移りまして、分離運用の結果でございますが、高度1キロメートルまで降下しまして、これは9月12日からゆっくり降下しまして、2つのターゲットマーカーを分離しております。分離はまず赤道方向に1つ、それから極方向に1つということで、2つを分離いたしました。分離したのが9月17日の午前1時17分、2つ目が午前1時24分、日本時間ですけれども、分離した次第でございます。その後、太陽を背にしながら高度20キロメートルまで戻って観測しております。