日本発「トランスフォーマー」に世界中が大熱狂…!「タカラトミー」が次々にヒット商品を作り続けられる「納得のワケ」
1985年に日本で放送されたテレビアニメ『戦え! 超ロボット生命体 トランスフォーマー』。 【写真】『トランスフォーマー アーカイブ超百科』の中身を大公開…! 乗り物から変形するロボットたちによる、正義と悪の群像劇が好評を博した本シリーズは、2007年に『トランスフォーマー』として実写映画化。こちらも世界中でヒットを飛ばし、2023年には最新作『トランスフォーマー/ビースト覚醒』が公開されました。 トランスフォーマーが他のロボット作品とは違う点として、ロボットがキャラクターそのものであることが挙げられます。人間が搭乗する兵器ではなく、「超ロボット生命体」である彼らは、それぞれのキャラクターに背景があり、さまざまな人間(? )模様が描かれます。 そんなトランスフォーマーたちの玩具は世界130ヵ国、2022年の時点で7億個を販売。名実ともに世界一有名なロボットコンテンツであると言えるでしょう。 そして、そんなトランスフォーマーは日本の玩具メーカーであるタカラトミー(当時:タカラ※以降タカラと表記)の玩具が元となっており、現在でもタカラトミーの手によって開発が行われているのです。 一方で、映像作品においては「米国制作、日本版は吹き替えの作品」もあれば「日本オリジナルの作品」、「日米共同制作の作品」とさまざまです。 トランスフォーマーは、なぜ日米を通じて制作されるコンテンツになったのでしょうか? そして、どうして世界中の人々を了するコンテンツとなったのでしょうか。 アニメ第1作からトランスフォーマーを追い続けてきたテレビマガジンが、40年の歴史を振り返る『トランスフォーマー アーカイブ超百科』とともに、作品の魅力と秘密に迫ります!
日本のロボット玩具が「トランスフォーマー」に新生
1974年、タカラは全長約10cmの可動フィギュア『ミクロマン』を展開。ミクロマンはテレビアニメとは連動しない、玩具独自のコンテンツで商品パッケージや商品同梱の冊子にストーリーやキャラクター解説を掲載していました。 テレビマガジンをはじめとした児童誌でも掲載が行われていましたが、ベースとなる設定は提供されつつも映像作品がないことが逆に子どもたちのイマジネーションを膨らませ、自由な遊びを提供していたこともヒットの要因だったと思われます。 当初はフィギュアをメインにしつつ、彼らを乗せることができる乗り物メカが発売されていたミクロマンでしたが、特に1981年からスタートした『ニューミクロマン』では、フィギュアとは直接連動しない、変形・合体を行うロボットの商品が増えていくことになります。 また、タカラはミクロマンとは別に『ダイアクロン』を展開。こちらは、ミクロマンの「人形とそれが乗り込む変形メカ」という路線を練り直したもので、各商品に1インチの「ダイアクロン隊員」が付属。ダイアクロン隊員が搭乗したメカがロボットに変形・合体するという商品でした。 当初はSFチックなデザインのメカで占められていたダイアクロンでしたが、シリーズ後半からは実在する自動車から変形する「カーロボット」をはじめとした「リアル&ロボシリーズ」を展開。ジェット機から変形するジェット機ロボや、特急列車から変形するトレインロボなど、リアルな乗り物に変形する変形ロボット玩具が続々と発売されます。 そして1984年、米国の玩具メーカーであるハスブロ社はミクロマンとダイアクロンの商品を米国で展開。その際にマーベルコミックによって新たに設定がなされ、日本生まれのロボットたちは正義の「オートボット」と悪の「ディセプティコン」に再編。トランスフォーマーとして生まれ変わったのでした。