都NO.1右腕・永見擁する東京が日大豊山に延長サヨナラでリベンジ達成し、ベスト4!【24年夏の東東京大会】
<第106回全国高校野球選手権大会東東京大会:東京6-5日大豊山(延長11回)>23日◇準々決勝◇明治神宮野球場 【トーナメント表】東東京大会 結果一覧 東京は春季都大会で日大豊山に敗れている。夏も負けるわけにはいかないという執念が、逆転のドラマを生んだ。 東京は今大会ナンバー1投手といっていい永見 光太郎(3年)がこの試合でも登板した。永見は3回を終えて奪三振5の無失点。しかしこの大会で永見は、打たせて取る省エネ投法をしていたので、三振の多さはむしろ気になった。 4回表2本の安打で1点を失った永見は、5回表には日大豊山の3番・谷口 光陽外野手(3年)の2点適時打、4番・小寺 蓮大外野手(3年)の適時打というように中軸に打たれリードを広げられた。 「焦りが出てしまいました」と言う永見。それでも「この場を楽しむこと。みんなで野球をしたい」と気持ちを切り替え、立ち直る。 日大豊山は背番号10の宮本航雅(3年)が先発したが、4回裏からは身長190センチのエース・村井 達将(3年)がマウンドに立った。村井は東京打線を4回、5回と三者凡退に抑えた。東京の松下浩志監督は、村井の疲れが出る終盤に勝負をかけるつもりでいた。 東京は7回裏に1点を返し、8回裏は、安打3本に敵失もあり2点を返し、なお満塁で東京の9番・関 諒也一塁手(3年)は四球を選んで押し出し。同点に追いつき、タイブレークに突入した。 10回表日大豊山は途中出場の1番・山田 一輝外野手(3年)のバントは敵失となり無死満塁。しかし続く代打・赤羽 宏介遊撃手(2年)の打球は投ゴロの併殺となり、得点を挙げることができない。東京も10回裏に二塁走者が牽制で刺されるなどして得点ができず延長は11回に入る。 11回表日大豊山は内野ゴロの間に1人が生還して1点をリードする。その裏東京の攻撃。犠打野選もあり満塁となるが、あと1本が出ず二死となる。打席には2番の井上渓太郎外野手(3年)が打席に入る。春負けた日大豊山に夏も負けるという「悔しい思いはしたくありませんでした」と言う井上は、「低い打球を打てば、相手のミスもある」と考え、低い打球を打ったが二ゴロ。好投していた永見も「終わった」と思ったが、送球エラーがあり、2人が還って、東京が逆転サヨナラ勝ちをした。 一塁に懸命に走った井上は、「ヘッドスライディングをして球がそれていたのは分かりましたが、逆転したかどうかは、すぐには判断できませんでした」と語る。それでも歓声でサヨナラ逆転を実感した。 敗れた日大豊山の福島直也監督は、「こんなことありますか」と言って茫然とした。終盤エースの村井が疲れていたのは分かっていた。けれども夏の大会だけに村井に託すしかなかった。「村井はよく投げましたし、成長してくれました」と語る。 勝った東京は準決勝で帝京と対戦する。「帝京の打線はすばらしいです。みんなで守り、みんなで打つ野球をしたいです」と松下監督は語る。永見投手擁する東京の旋風が続くのか、注目の一戦になる。