週末見たい展覧会5選。アレック・ソス、コンラン展、安部公房展など【10月第3週】
注目展示がもりだくさん
【東京】束芋 「そのあと」(ギャラリー小柳) これまでの25年間の作家活動を振り返りながら、束芋のアニメーション制作の原点に立ち返る展覧会。近年、舞台制作に精力的に携わってきた束芋は、今年にギャラリー小柳で開催されたグループ展「ONE SINGLE BOOK」の出品作や、寺田倉庫で発表した回遊型の映像インスタレーション「触れてなどいない」を通して、アニメーション制作で初めて感じた歓びを再び体験したという。本展では新たな試みとして、遊びや偶然性を残しながら、鑑賞者が様々な思いを感じとれるような空間を作り上げる。 会場:ギャラリー小柳 会期:10月5日~11月16日 【東京】「アレック・ソス 部屋についての部屋」(東京都写真美術館) 写真で物語を紡ぎだすような作品で、世界的に高い評価を獲得しているアレック・ソス。初期の代表作「Sleeping by the Mississippi」シリーズから、今秋に刊行予定の最新作「Advice for Young Artists」までが出品される本展は、「部屋」をテーマに、これまでのソスの作品を編み直す試み。出品作のほぼすべてが屋内で撮影された写真で構成されており、30年におよぶキャリアを単に振り返るのではなく、ソスの作品に登場する様々な部屋や、その空間に佇む人々にも意識を向けるユニークな内容になっている。レポートも公開中。 会場:東京都写真美術館 会期:10月10日~2025年1月19日 【東京】「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」(東京ステーションギャラリー) 「Plain, Simple, Useful(無駄なくシンプルで機能的)」なデザインが生活の質を向上させると信じ、デザインによる変革に突き進んだサー・テレンス・コンラン。本展は、イギリスの生活文化に大きな変化をもたらし、デザインブームの火付け役にもなったコンランの人物像に迫る日本初の展覧会だ。パターン・デザインした食器やテキスタイル、家具デザインのためのマケット、ショップやレストランのためのアイテムをはじめ、愛用品や著書、写真、映像など、300点以上の作品や資料などから、多様なコンラン像を浮かび上がらせる。 会場:東京ステーションギャラリー 会期:10月12日~2025年1月5日 【神奈川】「岡本太郎に挑む 淺井裕介・福田美蘭」(川崎市岡本太郎美術館) 川崎市市制100周年と、川崎市岡本太郎美術館の開館25周年を記念して、常設展⽰室と企画展⽰室の両方で開催される特別な展覧会。企画展⽰室では、淺井裕介、福田美蘭という2人の現代作家が岡本太郎と関連づけた⾃作を展示する。淺井は川崎市内で採取した⼟を絵具にして巨⼤な新作を制作。福⽥は新作に加え、岡本作品によるインスタレーションを展開する。常設展示室では、淺井と福田がそれぞれ独自視点で選んだ同館収蔵の岡本作品が紹介される。 会場:川崎市岡本太郎美術館 会期:10月12日~2025年1月13日 【神奈川】「安部公房展──21世紀文学の基軸」(神奈川近代文学館) 2024年で生誕100年を迎えた安部公房。学生時代の詩作から出発した創作活動は、『壁』『砂の女』をはじめとする小説、戯曲や写真、演劇グループ・安部公房スタジオによる総合芸術の追究など多岐に及んだ。本展では、初公開・初展示のものも含む約500点の資料を通して、表現者・安部公房の全貌に迫るとともに、安部作品のテーマが今日において持つ意味を問い直す。 会場:神奈川近代文学館 会期:10月12日~12月8日
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