TCRジャパンシリーズは2024年をもって6年間の歴史に幕か。近年は参加台数が減少
11月30日~12月1日の2日間、栃木県のモビリティリゾートもてぎでTCRジャパンシリーズの今季第4ラウンドが開催され、第8戦、第9戦はチェ・ジョンウォン(KMSAモータースポーツN/ヒョンデ・エラントラN TCR)が2勝、加藤正将(KMSAモータースポーツN/ヒョンデ・エラントラN TCR)が1勝を飾りシーズンを終えた。ただ関係者の話によれば、TCRジャパンシリーズはこの2024年最終戦が最後の開催になり、6年間の歴史に幕を下ろすという。 【シリーズ初年度となった2019年のスタートシーン】 TCRは、2015年にスタートしたツーリングカーのカテゴリー。WTCC世界ツーリングカー選手権等で使用されていたTC2の下位カテゴリーとしてWSC(ワールド・スポーティング・コンサルティング)によって立ち上げられ、GT3を参考に性能調整を使ったレースとして世界中で活用されている。 日本では、2017年からスーパー耐久シリーズのクラスのひとつとしてST-TCRクラスが導入されたほか、2019年にはスーパーフォーミュラを運営するJRP(日本レースプロモーション)がTCRジャパンシリーズを立ち上げ、スプリントのツーリングカーレースが日本に復活していた。 初年度の2019年こそ15台を超えるエントリーを集め盛り上がりをみせたTCRジャパンだが、シリーズ2年目の2020年からコロナ禍となり、アジアからの参戦が減った影響や参加メーカーの変化など、TCRを取り巻く環境の変化もあり、エントリー台数も減少。2024年には少ないレースで4台というラウンドもあった。 そんなTCRジャパンだが、関係者によればエントラントに対し、もてぎラウンドがシリーズとしての最後のレースであるということがアナウンスされたという。JRPからはまだシリーズの今後について正式な発表はないが、近いうちに告知されるという情報も。この週末は参加した車両が揃っての記念撮影なども行われ、チームには感謝のボードなども渡されるなど、TCRジャパンシリーズとしての“ラスト”を感じさせるイベントも行われていた。 TCRジャパンシリーズは、かつて開催されていた全日本ツーリングカー選手権(JTCC)以来のスプリントのツーリングカーレースとして大きな魅力をもっていた。ただ先述のようにさまざまな理由がシリーズの発展に味方していなかったように感じられる。ツーリングカー好きにとっては非常に残念なところだ。 [オートスポーツweb 2024年12月04日]