F1角田裕毅は来季本当にレッドブルへ昇格できるのか?…立ちはだかる2つのハードル…アブダビGP後に合同テスト
F1のRBに所属する角田裕毅(24)が来季、親チームのレッドブルに昇格できるか否かの問題が話題となっている。カタールGPでは13位に終わったが、今季はパフォーマンスが評価され、レッドブル昇格の可能性が何度も取り沙汰された。その可能性を分析すると2つのハードルが浮かび上がってきた。 【画像】「驚くほど速い!」F2000Tで総合優勝した“女子高生レーサー”野田樹潤
11月23日のラスベガスGPでレッドブルのマックス・フェルスタッペンがライバルであるマクラーレンのランド・ノリスとの戦いを制して、2024年のドライバーズチャンピオンに輝いた。 このレースではレース終盤、もうひとつの戦いが演じられていた。9位の座をかけて角田とセルジオ・ペレス(レッドブル)との間で激しいバトルを繰り広げられた。それは、まるで2025年のレッドブルのシート争いを行っているかのように熱かった。 2025年のレッドブルのシートは、チームと長期契約を結んでいるフェルスタッペンがすでに確定している。そのチームメートに関しても、6月4日にレッドブルがペレスとの契約を2年延長したことを発表したことで、一度は落着したように思えた。 しかし、その後、ペレスが極度の不振に陥ったことで、レッドブルのシート争いが再燃する。フェルスタッペンがチャンピオンシップ争いを演じる中、ペレスは表彰台から遠ざかり、予選でQ1敗退することも少なくなかった。 そこで注目を集めたのが、かつてレッドブルに所属し、今年レッドブルの姉妹チームであるRBのドライバーだったダニエル・リカルドだった。しかし、リカルドもなかなか調子が上がらず、9月のシンガポールGPを最後にチームを去ったことで、ペレスの首はシーズン最終戦までつながった。 だが、フェルスタッペンがチャンピオンとなったラスベガスGPで、ペレスが角田の後塵を拝したことで、再びシート争いが熱くなり始めた。なぜなら、角田もレッドブル・ファミリーの一員で、レッドブルへ移籍するチャンスがあるからだ。 すでに角田の2025年のシートは6月8日に所属するRBが単年契約を締結したと発表している。しかし、角田が所属するRBはレッドブルの姉妹チームなので、レッドブルが望めば、RBのドライバーを引き抜くことは可能で、2016年にはフェルスタッペンがダニール・クビアトと入れ替わる形でレッドブルへ昇格。2019年にはアレクサンダー・アルボンとピエール・ガスリーとの間でトレードが行われた。 さらに10月下旬のメキシコGPで、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表が「最終戦アブダビGP後のテストで、角田裕毅を起用してレッドブルのマシンを走らせる」ことを明言したことで、角田の将来に関する憶測が飛び交い始めた。 このテストが実現した背景には、ホンダの後押しがあった。レッドブルが搭載しているパワーユニットを開発・製造しているホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長がアメリカGPを訪れた際に、レッドブル側に次のように要請していた。 「われわれとしてはレッドブルに昇格するポテンシャルを角田選手は持っていると思うので、その評価を適正にしてもらって、できるだけ早いタイミングでレッドブルのクルマに乗せてくれるようにお願いをしました。レッドブル側からも『その機会を考えています』と言われました」 その次のグランプリとなったメキシコGPで、ホーナー代表がこう言って、最終戦アブダビGP後に予定されている合同テストで、角田を起用することを公にした。 「彼(角田)をレッドブルのコクピットに座らせて、レッドブル・レーシングのエンジニアたちと仕事をする機会を与え、レッドブル・レーシングのクルマで彼がどんなパフォーマンスを披露するのかを見るのはいいことだ」