日本人F1ドライバーふたり目の快挙なるか!? 角田裕毅、得意のアブダビで6位以上なら年間ランキングトップ10入りの可能性も
2024年シーズンのF1も残すところあと1戦。第24戦アブダビGPが今季最後のレースとなる。マクラーレンとフェラーリによるコンストラクターズタイトル争いが大きな見どころとなるが、RBの角田裕毅がどんな走りでシーズンを締めくくるかも、日本のファン……否、世界のファンにとっての注目ポイントと言える。 【動画】角田裕毅とリアム・ローソンがストックカーに挑戦! 上位グループ、中団グループ共に、勢力図の変化が激しかった今シーズンにおいて、角田は序盤からコンスタントに入賞を記録。後半戦はライバルの台頭もあり厳しい戦いを強いられるケースも多いが、それでも計9回の入賞でランキング12番手につけている。近年はチームメイトの成績を上回り続けていることもあり、来季セルジオ・ペレスの後任としてレッドブルに昇格する可能性についても取り沙汰されるようになった。 そんな角田は、アブダビでの成績次第では歴代日本人F1ドライバーでふたり目の記録を達成する可能性がある。それがドライバーズランキングトップ10入りである。 これまで、年間のドライバーズランキングで10位以内に入ったのはたった1例。2004年の佐藤琢磨(当時BARホンダ)だけだ。この年の佐藤は予選(2番手/ヨーロッパGP)、決勝(3位/アメリカGP)で共に日本人歴代最高順位を記録。表彰台1回、トップ5フィニッシュ5回という好成績でランキング8位に入った。後にも先にも、この佐藤を超えたものはいないのだ。 現時点でこれに次ぐ順位として、ランキング12位が5例存在する。1987年の中嶋悟(当時ロータス)と、1990年の鈴木亜久里(当時ラルース)、2010年~2012年の小林可夢偉(BMWザウバー)だ。 1987年の中嶋は、日本人ドライバーとしての初めてのF1フル参戦でもあった。この年の中嶋は、ホンダエンジン勢が1-2-3-4フィニッシュしたことで知られるイギリスGPで4位に入ると、他にも5位1回、6位2回を記録した(当時の入賞は6位まで)。1990年の鈴木は日本GPで日本人初の3位表彰台を獲得すると、その他にも2度6位に入った。 小林は2010年のフル参戦開始以来、3年続けてランキング12位に入った。この当時は既に10位まで入賞となる現行のポイントシステムとなっていたが、小林は2010年にイギリスでの6位、鈴鹿、バレンシアでの7位を筆頭に8回の入賞を記録。2011年はモナコGPで5位に入るなど9回入賞した。2012年はキャリアハイのシーズンとなり、2004年の佐藤と同じく予選2番手(ベルギーGP)、決勝3位(日本GP)を記録して過去2年の倍のポイントを稼いだが、この年は混戦のシーズンだったこともありランキングは前年同様となった。 そして奇しくも、角田のランキングは最終戦を前に12番手となっている(獲得ポイント30)。ただ、ランキング9番手のフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン/68点)は逆転不可能だが、10番手のニコ・ヒュルケンベルグ(ハース/37点)は7点差、11番手のピエール・ガスリー(アルピーヌ/36点)は6点差となっており、決して逆転できない点差ではない。 ただ、最終戦で角田がヒュルケンベルグとガスリーを逆転してランキング10位に入るためには、8ポイントが獲得できる6位に入ることが最低条件。角田の今季ベストリザルトが7位ということを考えると簡単ではないと言えるが、角田は過去にアブダビで4位を獲得した経験もあり、相性は決して悪くない。過去多くの日本人ドライバーが越えられなかった“12位の壁”を、越えることはできるだろうか。
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