<2000万円あればとりあえず安心?><運用しないとダメ?>専門家「老後資金は情報に振り回されず、このポイントだけ抑えるべきで…」
◆「収支のバランス」を取るためのポイント ここでお伝えしたいのは、「収支のバランス」を取るために、「支出」を減らすという節約の話ではありません。また「収入」を増やすために、危ない投資をするという話でもありません。 この「収支のバランス」を取るためには、「減らない財布」を手に入れることがポイントです。 魔法のような「減らない財布」のベースとなるのはじつは公的年金です。 公的年金は、年6回、偶数月の15日に2ヵ月分が振り込まれます。振り込みは生きている限り続きます。 そのお金を使い切ったとしても、2ヵ月後の財布の中身は元通りになっています。つまり、使っても減らないのです。 ただし、単に65歳でそのまま年金を受け取っただけでは、「減らない財布」とは言えません。それでは年金額が少ないからです。「減らない財布」ではなく「足りない財布」になってしまいかねません。 そこで公的年金を賢く増やして「減らない財布」を手に入れることによって、お金がない、お金が減っていく不安から解放されます。お金の心配がない老後生活は、それだけでも幸福度が大きく上がるでしょう。
◆「老後資金2000万円問題」とは何か いくつものアンケート調査によれば、約8割の人が「老後が不安だ」と感じています。その要因の第1位は「老後のお金」です。 定年後には長い時間が残っています。長い老後をお金の心配をしながら過ごすのは、イヤなものでしょう。 老後のお金に対する不安とは、「老後資金が足りないこと」と言い換えられるのではないでしょうか。 2019年に「老後資金2000万円問題」が大きく取り上げられました。それ以来、老後資金に不安を覚える人が増えたのです。 老後資金について考えるようになったのは、とてもよいことだと思います。反面、インパクトが強かったせいか、「2000万円」という数字がひとり歩きしてしまいました。 それ以上のお金を用意しなければ老後は生活ができないと思われ、不安を煽ったことはマイナスだと感じています。 ※本稿は、『投資ゼロで老後資金をつくる』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
長尾義弘
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