「また間違えてる!」元小学校教諭が警鐘を鳴らす、親がついやりがちな“ダメ出し”が子どもに及ぼす悪影響
毎晩、子どもの宿題やテストを後ろから覗き込んでは、ついつい細かく指摘したくなる親心――わかります。親御さんから寄せられた「子どもの間違いを指摘してよいものか?」とのお悩みに、ポットキャスト2冠を達成した人気番組「子育てのラジオ『Teacher Teacher』」のMC、福田遼さん、秋山仁志さんが、元小学校の先生ならではの実践的な対処法を教えてくださいました。お二人の著書より抜粋してご紹介します。 親の“ある言葉”が無意識のうちに「失敗を怖がる子」にさせている? 子どもの成長を妨げる一言
Q.子どもの間違いを指摘してもいい?
A.「ヨイ出し」でポジティブに修正! 【親御さんからのお悩み】 勉強しているときに私が間違いを指摘すると、子どもが「わかるはずないやん!」と苛立ちをあらわにします。間違いを教えてあげたい、と思って指摘しているのですが、勉強自体に対して苦手意識がめばえている気がして心配です。なので、まず私がどう変わるべきか、と悩んでいます。
「ダメ出し」の反対=「ヨイ出し」の使い方
【ひとし】 子どもの勉強に対する苦手意識・嫌悪感をどうしたらいいか、というお悩みです。まずこの親御さんご自身が変わろうとされているのが素敵すぎる! 【はるか】 本当にそう!子育てだけでも相当大変なはずなのに、さらに自分が変わらなきゃと考えていらっしゃるところに、もう大拍手です。 【ひとし】 大尊敬だね。この親御さんに、何かお伝えできることってある? 【はるか】 一つ紹介できるとすれば、アドラー心理学をベースにした「ヨイ出し※1」という考え方です。 【ひとし】 ヨイ出し? 聞いたことないな。 【はるか】 アドラー本人の言葉ではないんだけど、アドラー心理学の研究者の岩井俊憲さん※2が提唱されているもので、簡単に言えば「ダメ出し」の反対です。 【ひとし】 あ、わかった! 「良い」ところを「出す」ってことね。 【はるか】 そうそう。まあ、「良いところをいっぱい見つけて伝えましょう」だけだったら、すでによく言われていることだよね。でも、そう聞くと、「それじゃあ苦手なことやダメなところが直らないんじゃない?」と疑問に思う方も多い。なので今回は、ヨイ出しによって、良くない部分も変化していく、というところまで紹介したいと思います。