「陰謀論にハマった人」の目を覚まさせる言い方とは? ひろゆきの使える“ズルい”言いまわし
仕事やプライベートで「なぜかうまくいく人」は、どんな言葉を使っているのか? 実は賢い人ほど、相手から期待通りのリアクションを引きだす「ズルくてうまい言いまわし」を日頃から駆使している。 どんな言葉を使えば物事がスムーズに進むのか? 様々なシチュエーションごとに「ダメな言い方」「うまい言い方」を解説した、ひろゆき氏の新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』から、テクニックの一部を紹介しよう。
陰謀論に染まった親の目を覚ます言葉
定年後の暇を持て余してか、「両親がネットで見た陰謀論にハマってしまった」なんてケースが増えている。食事の席でも陰謀論を語りだされたらたまったものではないが、もうちょっと理性的になってもらうには、どう諭せばいいのか。いきすぎた陰謀論から目を覚まさせるには、どうすれば?
陰謀論者に気づきを与えるには、事実ベースの知識や情報集めを
そこそこ頭がいい人のほうが陰謀論にハマる傾向がある――そんな印象が僕のなかにはあります。というのも、陰謀論にハマる人というのは、「テレビのニュースや新聞よりも自分の調査能力のほうが優れている」と思い込むくらいの自尊心があったりするので、「自分が信じている説のほうが正しい」と思い込めたりするのですね。 しかも、わりと“いい人”と思われるような人のほうが、陰謀論に染まりやすかったりします。いい人は、「人間は善意で動くので社会はよりいい方向に行くはずである」と信じていたりします。でも、正義の反対が絶対に悪というわけではなく、別の正義が存在していることもあります。例えば、過去の日本がそうだったように、よりいい方向を目指した結果、他国に対する侵攻を選んだりするわけです。そして世界ではいまだに似たようなことが起き続けています。 つまり、陰謀論だろうが戦争だろうが、単に正義の方向性が異なっているだけということもあるわけです。それぞれに自分の正義だと考える論理があって、見方や立場を変えれば正しいと思える。だから陰謀論にハマった人を諭すのは、カルト宗教にハマった人を諭すのと一緒で、かなり難しいのが現実だと思います。 ただ、皆無というわけではなく、陰謀論を語る相手の論理を肯定しつつ、「この事実についてはどう思う?」という感じで証拠の具体性を詰めていく方法はあります。 例えば、「新型コロナワクチンにはマイクロチップが入っている」という陰謀論なら、「マイクロチップを入れることは可能だよね。でも、犬猫の体内に入れるチップだって直径1~2㎜、長さ8㎜なんだから、ワクチンの瓶に何本も入っていたら見てわかるのでは?」という感じで、事実をベースにひとつずつ誤解を解いていく。すると相手も、「ひょっとしたら間違っているのかも?」と気づいて話を聞いてくれる可能性もある。