小惑星「2024 UQ」(A11dc6D)を落下前に観測 前回の同様事例からわずか1か月半後
この話題のニュースバリューが無くなるのは良い傾向?
2024 UQの落下場所は北緯30.0度・西経136.0度、上空38.2kmであると推定されており、これは太平洋の東側、アメリカのハワイ諸島とカリフォルニア州の間に当たります。最寄りの陸地から1000km以上も離れた遠洋で火球を目撃した人がいた可能性はかなり低いと思われます。 ただし幸いにして、人間ではない “目撃者” はいました。ESAのMarco Micheli氏は、アメリカ海洋大気庁(NOAA)が運用する気象衛星の1つ「GOES-West」の撮影画像から、東太平洋上空の発光を発見しました。発光の位置と撮影日時は、2024 UQの推定落下場所および時刻と一致しており、2024 UQによる火球である可能性が高いと見られています。
直径1mの小惑星は文字通り無数にあり、2024 UQは落下前に発見されたという点以外に際立った特徴はありませんし、地上に落下してごく小さな破片をもたらす以上の “被害” も考えられません。発見頻度の増大は、見逃しが減っていることを意味しており、このような観測事例は(筆者としては残念なことに)どんどんニュースバリューが無くなっていくでしょう。ただしこのことは、本当に見逃してはならない、災害をもたらす巨大な小惑星の落下を事前に予測できる可能性が着実に上がってきたことを意味しています。 Source Minor Planet Electronic Circular. “MPEC 2024-U49 : 2024 UQ”.(Minor Planet Center) Brett Tingley. “An asteroid hit Earth just hours after being detected. It was the 3rd 'imminent impactor' of 2024”.(Space.com) Kelly Kizer Whitt. “Small asteroid hit Earth’s atmosphere just after discovery”.(EarthSky) Teo Blašković. “Asteroid A11dc6D (2024 UQ) impacts Earth over eastern Pacific Ocean ― 10th predicted Earth impactor on record”.(The Watchers) “Tony Dunn氏のX(旧Twitter)アカウントのポスト”
彩恵りり / sorae編集部