ゴミ出しルールを守らない外国人とどう付き合えばいい?【動画で学ぶ】
トランプ氏の圧勝で終わったアメリカ大統領選では、移民問題が争点の一つになった。少子高齢化が進む日本でも、外国人受け入れについて語られる機会が増えている。今回は、「ゴミ出しルールを守らない外国人」をフックに、異文化間摩擦について考えてみよう。ヒントになるYouTube動画も紹介する。(パタプライングリッシュ教材開発者 松尾光治)● ゴミ出しルールを守らない外国人 いきなりだが、あなたの家の近所にゴミ出しのルールに従わない国の人たちが急増したところを想像してみてほしい。仮のその国をB国としよう。町の集合住宅はB国の人だらけ、戸建てにも親戚一同で住み着き、存在感が増すばかりだが誰ひとりとしてゴミ出しのルールを守らない様子だ。 するとあなたは、「B国出身」と聞いた瞬間、「あ~、ゴミ出しのルールを破る困った人たちだ」と反射的に決めつけてしまう。 一方、B国の人たちの目から見ると、毎週のように指示看板を前に大家から小言を言われたり、ゴミ集積所で掃除当番から区分間違いを指摘されたり、夜中にゴミを出したら、「当日出し」のルール違反だと注意されたりする経験を通して、日本人にネガティブな感情を抱いていく。 もしかしたら、「誰もが偏執的なまでにルールにとらわれて融通が利かず、必要以上に清潔好きで、時間厳守に固執し、人々が互いの行動を批判的な目で監視する窮屈な人々」などと思っているかもしれない。 どうだろう?いずれにしても非常に残念な状況であることは明白だ。どのように解決したら良いのだろうか。
● 対立を解消する方法は二つしかない 「日本に住むのだから日本のルールやマナーに合わせるのは当然」と考える日本人が大多数だろう。確かに、日本に定住する意図があるにもかかわらず日本のルールやマナーを守る気がないどころか、日本人や地域コミュニティに対して尊大であるような人々には憤りを感じるかもしれない。 だが、アメリカ暮らしが35年になる筆者の経験から言うと、文化背景の異なる人々が共生するために相互理解を深め、対立を解消する方法は二つしかないと感じる。 譲歩しあうか、双方が受容できる第3の斬新な解決法を編み出すかだ。日本のゴミ出しの例でいくなら、お互いがコミュニティの一員と認識した上で、どこまで譲歩するかということになる。 筆者が思うに、このケースはどちらも「ステレオタイプ」の罠に陥ることで不幸になっている。ある国民や人種グループの多くのメンバーに共通する行動様式、つまり彼らの文化を、その国民や人種全体に当てはめてしまうことは偏見や差別に他ならない。 異文化の人々が共生せざるを得ない場合、必ず何らかの摩擦が生まれる。その摩擦はステレオタイプを生みだし、そのステレオタイプに沿って差別的行動が起こる、という悪循環が生まれがちだ。 今後、日本で確実に急増していくであろう異文化間摩擦に対処するうえで、ヒントになるものがある。アメリカのアジア系スタンドアップコメディアンのジョークだ。人種別のステレオタイプを逆手に取って、爆笑をかっさらっている。