ゴミ出しルールを守らない外国人とどう付き合えばいい?【動画で学ぶ】
● 内容のポイントは?【和訳解説】 さて、このジョークの流れを簡単に訳してみる。 「白人は自分の生活がどれだけカネがかかるかを話すことで間接的に自慢する」 このせりふは、大都市郊外の、芝生がこぎれいな家の立ち並ぶ街に住んでいるミドル~アッパーミドルクラスの白人の母親が言いそうなステレオタイプ的な自慢だ。これに対し「あるある」と観客は笑う。 「黒人はモノを気前よく買い、金額をそのまま言うストレートな自慢をする」 おカネが手に入ると黒人は衣服や車、ジュエリーなどに気前よくパッパッと使ってしまうというステレオタイプがある。これにも「あるある!」と観客はさらに笑う。 そこへジミーが、「アジア人は真逆だ」と言い出すので観客は不意を突かれる。「どれだけカネを使わずにすませたか」。節約が自慢だとのパンチラインで決める。 白人と黒人の「あるある」ステレオタイプで皆をのせておいて、アジア人ではひねりの効いた、「確かに!」と思わせるステレオタイプを打ち出すことで大きな笑いをとっている。(アメリカでは‘中国人、韓国人、日本人は「アジア人(Asian)」とひとくくりにされることが多いが、ここで言うアジア人は中国系と考えておけばいいだろう。) どうだろう、笑えただろうか?「しょせん海外の話。自分にはピンとこない」と感じた人も多いかもしれない。ならば、冒頭の話に戻ろう。ゴミ出しの苦手なB国の人たちと日本人の件だ。
● 日本人よ、ジョークを飛ばせる大人になろう 冒頭で、B国の人たちが持ちかねない日本人のネガティブなステレオタイプを書いた。実際、日本に憧れて来日し長期滞在する外国人の中には、このステレオタイプのような日本を日々味わって、失望して帰国する人たちも多い。そこで一つ、頭の体操をしてみて欲しい。 あなたは、ジミーに倣って、B国人と日本人の両方のステレオタイプを俯瞰して、どちらをも笑い飛ばせるようなジョークは作れるだろうか? シーンはこうだ。日本の細かいルールを守りたくても、そのような細かいことを行う習慣がなかったので守れない。そんな自分が情けなくなってしまうB国人と、科学捜査官並みに細かくて、荒さがしの上手な日本人の掃除当番。この2人のゴミ集積所での会話をジョークにする。 B国人を批判したりあげつらったりするのではなく、日本人のステレオタイプをネタにちょっと自虐的なジョークを作ってみるのだ。自分を笑えるというのは、精神的ゆとりがある大人の証拠。これは万国共通だ。 日本のように同質性の高い国民からなる国では、日本のやり方に完全に合わせることを共生の条件と考えがちかもしれない。だが、移民に対して譲歩し、日本のやり方を変えていく必要が出てくる可能性も今後、大いにあるだろう。
松尾光治