《親に聞きたくても聞けない》お父さんは年金ひと月いくらもらっているの?介護費用はどうするつもり?【令和の年金エイジのお金と介護の話】
「人生100年時代」と言われている今、私たちの平均寿命は徐々に延び続けています。 厚生労働省によれば、2024年度~2026年度の65歳以上の高齢者が払う介護保険料は、従来より3.5%上昇。少子高齢化の影響はもちろん、介護が必要な高齢者・もしくは介護サービスを利用する方が増加していることも要因となっています。 ◆【写真8枚】令和の年金エイジ「国民年金・厚生年金の受給額」&介護費用に対する意識他(出所:厚生労働省など) 加えて昨今の止まらぬ物価高。年金暮らしのシニア世代の多くが、家計のやりくりに骨を折っていることでしょう。 こうした状況を鑑み、政府や自治体の各種支援も進行していますね。2024年6月21日、岸田首相は年金世帯等を対象とした追加給付金を秋ごろをメドに策定すると記者会見で明言しています。 そんないま、年金生活を送るシニア世代の親御さんを持つ人の中には、「うちの親は年金をいくらもらえているのだろう」「要介護になったら費用は大丈夫?」といった心配をされている人もいるはず。 介護や医療に必要な金額は、場合によって個人差があります。そして年金受給額も人それぞれです。実際に親がどのくらい年金をもらえているのか、介護費用の準備についてどう考えているのか「聞きたくても聞けない」という人もいるでしょう。 今回は、令和の年金エイジたちの「年金受給額事情」や、平均的な介護費用等に関するデータを見ながら考えていきたいと思います。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【令和の年金エイジ】ウチの親は国民年金・厚生年金をいくらもらっている?
実の親子であっても「お父さん、いくら年金もらっているの」とはなかなか聞きにくいもの。そこで、令和の年金エイジたちの年金事情を、厚生労働省の資料をもとに見ていきましょう。 ●【令和の年金エイジ】国民年金・厚生年金の平均月額 厚生労働省が2023年12月に公表した「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、国民年金のみを受け取る場合、年金月額は男女ともに平均5万円台でした。これは、厚生年金加入期間のない、自営業や専業主婦(主夫)だった人の年金額です。 会社員や公務員などのサラリーマンだった人が受け取る、厚生年金と国民年金を合わせた平均年金月額は、男性16万円台、女性10万円台です。 しかしこれらはあくまでも全体の平均額であることを忘れてはなりません。リタイヤ後に実際に受け取る年金額は、若い頃の働き方や収入などにより個人差が出ます。 では、どのくらいの人が、いくらくらいの年金を受け取っているのか見ていきましょう。 ●【令和の年金エイジ】ウチの親は国民年金をいくらもらっている? (国民年金のみを受け取る場合) 国民年金の受給額事情をグラフで見る 国民年金(老齢基礎年金)の受給額 〈全体〉平均年金月額:5万6316円 ・〈男性〉平均年金月額:5万8798円 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円 受給額ごとの人数 ・1万円未満:6万5660人 ・1万円以上~2万円未満:27万4330人 ・2万円以上~3万円未満:88万1065人 ・3万円以上~4万円未満:266万1520人 ・4万円以上~5万円未満:465万5774人 ・5万円以上~6万円未満:824万6178人 ・6万円以上~7万円未満:1484万7491人 ・7万円以上~:178万3609人 ●【令和の年金エイジ】ウチの親は厚生年金をいくらもらっている? (厚生年金を上乗せで受け取る場合) 厚生年金の受給額事情をグラフで見る 厚生年金(老齢厚生年金)の受給額※国民年金の金額を含む 〈全体〉平均年金月額:14万3973円 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 受給額ごとの人数 ・1万円未満:6万1358人 ・1万円以上~2万円未満:1万5728人 ・2万円以上~3万円未満:5万4921人 ・3万円以上~4万円未満:9万5172人 ・4万円以上~5万円未満:10万2402人 ・5万円以上~6万円未満:15万2773人 ・6万円以上~7万円未満:41万1749人 ・7万円以上~8万円未満:68万7473人 ・8万円以上~9万円未満:92万8511人 ・9万円以上~10万円未満:112万3972人 ・10万円以上~11万円未満:112万7493人 ・11万円以上~12万円未満:103万4254人 ・12万円以上~13万円未満:94万5662人 ・13万円以上~14万円未満:92万5503人 ・14万円以上~15万円未満:95万3156人 ・15万円以上~16万円未満:99万4044人 ・16万円以上~17万円未満:104万730人 ・17万円以上~18万円未満:105万8410人 ・18万円以上~19万円未満:101万554人 ・19万円以上~20万円未満:90万9998人 ・20万円以上~21万円未満:75万9086人 ・21万円以上~22万円未満:56万9206人 ・22万円以上~23万円未満:38万3582人 ・23万円以上~24万円未満:25万3529人 ・24万円以上~25万円未満:16万6281人 ・25万円以上~26万円未満:10万2291人 ・26万円以上~27万円未満:5万9766人 ・27万円以上~28万円未満:3万3463人 ・28万円以上~29万円未満:1万5793人 ・29万円以上~30万円未満:7351人 ・30万円以上~:1万2490人 単純に平均月額だけを見ると、厚生年金を受け取れる場合は、国民年金のみを受給するよりも手厚い金額になりました。とはいえ、厚生年金加入権者どうしても個人差が大きいことも分かります。 また、上記の金額はいわゆる「額面」です。ここから、介護保険料や住民税などの税や社会保険料が天引きされる点も意外な落とし穴です。 「令和の年金エイジ」たちの年金事情が見えてきたところで、介護費用に関する意識についても調査結果を見てみましょう。 「うちの親、介護費用はどうするつもりなんだろう……」漠然と不安に思っていても聞きにくいと思っている人はぜひ参考にしてみてください。