【全日本】安齊勇馬「この試合でプロレス人生が終わってもいい」と覚悟した三冠戦
――三冠を落とした時、「すぐに青柳優馬選手と戦いたい」と話していましたが、今はチャンスを待っているところでしょうか? 安齊:そうです、チャンスを虎視眈々と狙っています。今はライジングHAYATOさんとのアジアタッグ王座を戴冠しています。そのHAYATOさんとのタッグが楽しい。誤解して欲しくないけど、この戦いをファンの皆さんに観てほしいという気持ちが強い。 それに三冠に挑戦するなら自分の気持ちが満杯の状態で行きたい。三冠のヒリヒリする試合をしたいけど、今の三冠王者であるデイビーボーイ・スミスJr.は生半可な気持ちで挑んでも勝てる相手じゃないし、簡単に獲れるベルトでもない。 もっと「自分の気持ちが爆発したら挑みたい」と思っています。 ――2024年は三冠王者にもなり、環境も変わったと思います。“安齊勇馬”というプロレスラーにとって、どんな1年間でしたか? 安齊:僕はデビューしてからずっとチャレンジしかしていない。昨年、N-1 VICTORY(プロレスリング・ノア主催のヘビー級リーグ戦)に出場した時も全日本プロレスを背負って1人でノアに行き、1人で試合して、1人で帰ってきました。 三冠戦も「王者」ではあったけど、挑戦者に対して”来いよ”っていう気持ちはなくて、最前線でプロレスを盛り上げてきた選手や、時代を作ってきた選手に“今の僕”が挑戦するという気持ちで戦いました。 三冠ベルトを保持している時、“全日本の歴史や記録の全てと戦っていく”つもりでした。だから命と引き換えになっても…と覚悟を決めてリングに上がりました。 いずれにしろ、「安齊勇馬のプロレス」は進化しているはず。ただ現状に満足せず、「こんなもんじゃないんだ」って気持ちで、来年ももっともっといろんなことに挑戦していけたらなって思います。
――そして2022年の新人賞に続き、2024年のプロレス大賞で殊勲賞を初受賞しました。 安齊:自分自身、この1年は自分ができることを精一杯頑張る、そして少しでも全日本のために、全日本が盛り上がるようにと思ってやってきたんですけど、それがこういう形で殊勲賞受賞ということになって、とにかく今、嬉しい気持ちでいっぱいです。 このような嬉しいニュースが年末に、応援してくださるファンの方にこう届けれることで、より一層全日本プロレスが盛り上がるんじゃないかなと思っています。 2年前よりも、全ての部分で今の方が上達していると感じています。目指すはMVPですがプロレス大賞のすべての賞を受賞していきたいっていう思いはあります。 ――最後に、2025年安齊選手はどんな自分の姿をイメージしていますか? 安齊:「今、全日本プロレスって誰がいるの?」と質問されたら「安齊勇馬!」って一番に名前が上がることって少ないと思うんです。 「宮原健斗!」「青柳優馬だね」「斉藤ブラザーズがいる」「諏訪魔だよ」っていうのが正直な意見。それを覆したい。だから2025年は「全日本プロレスと言えば”安齊勇馬”」と言ってもらえることを目指します!
取材/大楽聡詞 文/#ミライ