【40代・50代「更年期治療」をアップデート!】ホルモン補充療法(HRT)は、年齢に関係なく受けられるってホント?
何歳で始めていいの? 何歳まで続けていいの?
「ホルモン補充療法についてよく質問されるのは、『閉経して何年後なら始めてもいいのか』『何歳まで続けていいか』。ほとんどがそれです。 ホルモン補充療法の知識を後から得て、閉経してずいぶんたったり、60歳前後になってから「やってみたいな」と思うようになる人がけっこう増えてきました。 確かに昔は『閉経後〇年までに始めること』と言われていたこともありました」 では、「〇年まで」の根拠は何なのだろう? 「ホルモン補充療法を行っていいかどうかは、実は年齢ではなく、その人の体の状態次第。特に血管の老化度によるのです。エストロゲン剤は血管が老化してから始めると、血管をより老化させてしまうことがあるのです。 そういう意味では、早く始めたほうが理想的。 どこかで『60歳を過ぎてのホルモン補充療法は自費診療になる』などと聞いたことがある人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。閉経年齢が遅い人もいますし、更年期の症状のような体の不調があるなら保険適用でしょう! もし、60代で初めてホルモン補充療法を希望されたら、私はまずは閉経年齢を確認し、ガイドラインにはなくても動脈硬化のスクリーニング検査やDダイマー(血栓が形成されている可能性の有無の指標)を調べます。そして血管系のリスクが少ない場合、少ない量のホルモン剤で始めてみることを検討します。始めてからは、普通1年に1回の血液検査や検診も2回にします。 私の外来では、70代でもホルモン補充療法をやっている人がいますよ。50代のときに始めていた人ばかりではありますが。70代の人だと、エストロゲン量はごくごくわずか。例えば貼り薬の『エストラーナテープ』でイメージすると、2日に1回貼るところを月に数枚とか、2週間に1枚とかですね」 《Point》 ・年齢に規制はないが、閉経後なるべく早く始めるのが理想的 ・人によっては60代で始めることもできるし、70代まで続けることもできる