吉田麻也、堂安律、板倉滉の移籍でブンデスに日本人10人…W杯ドイツ戦にどんな影響を与えるのか?
まもなく幕を開けるヨーロッパの新シーズンで、日本代表選手たちがドイツのブンデスリーガ1部へ集結している。今月に入ってからDF板倉滉(25)がボルシアMG、MF堂安律(24)がフライブルク、そしてキャプテンのDF吉田麻也(33)がシャルケへ移籍。直近の森保ジャパンの招集メンバーでブンデスリーガ勢が一気に8人へ増えた状況は、カタールワールドカップのグループリーグ初戦、11月23日のドイツ代表戦へどのような影響を与えるのだろうか。
森保監督「吉田はシャルケ移籍で落ち着いて前進していける」
ブンデスリーガ1部に所属する日本人選手の数が2桁の「10」に到達した。そのなかで移籍が取り沙汰されている、MF鎌田大地(25、アイントラハト・フランクフルト)を含めた8人が、6月シリーズを戦った森保ジャパンに招集されている。 今夏に新たに加わったのは現時点で3人。シャルケの主力として昨シーズンの2部優勝と今シーズンの1部復帰に貢献した板倉がボルシアMGへ、オランダ・エールディヴィジのPSVで公式戦10ゴールをあげた堂安がフライブルクへ、そしてイタリア・セリエAのサンプドリアを契約満了で退団した吉田がシャルケへそれぞれ加入した。 吉田の移籍が正式に発表されたのは5日深夜。日本代表の森保一監督(53)は、もともと設定されていた6日のオンライン形式の囲み取材で、オランダ、イングランド、イタリアに次いでドイツでプレーする吉田の新たな挑戦を歓迎した。 「ヨーロッパの5大リーグのドイツ、そのなかでも名門のシャルケでプレーできること、クラブ側から評価されていることが素晴らしい。これで本人も新しいシーズンへ向けて、落ち着いて前進していけると思う。おめでとうございます、と伝えられれば」 シャルケは板倉の完全移籍での獲得を目指して、保有権を持つイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティと交渉を重ねていた。しかし、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、筆頭スポンサーだったロシアのガスプロム社を追放した影響で資金繰りが悪化。設定された違約金を用意できなくなったとして断念していた。 ただ、1部を戦う上で補強は不可欠だ。セリエA昇格組のモンツァ、トルコのトラブゾンスポルなどが候補に上がっていた吉田に急接近したのは、6月30日でサンプドリアを退団した吉田を獲得する上で、違約金が発生しない状況だけが理由ではなかった。 シャルケのスポーツダイレクター、ルーベン・シュレーダー氏はクラブを通して、延長オプション付きの1年契約で吉田を迎え入れた理由をこう語っている。 「彼はすでにイタリア、イギリス、オランダ、そして日本代表で絶対的リーダーとしての資質を証明している。サッカーと人間性のすべての面で重要な役割を果たし、われわれがブンデスリーガ1部で成功するための手助けをしてくれると確信している」 シャルケの撤退とともに、ドイツ国内外の10クラブが名乗りをあげたとされる板倉の争奪戦を制したのは、1970年代に黄金時代を築いたボルシアMGだった。東京五輪世代の25歳へ、センターバックだけでなくボランチとしても期待をかけている。 堂安はアルミニア・ビーレフェルトへ期限付き移籍した2020-21シーズン以来、2年ぶりとなるブンデスリーガ1部へ今回は完全移籍で加わった。 アヤックスと並ぶオランダの名門PSVをあえて飛び出したのは、ビーレフェルト時代の成功体験に導かれたからだろう。PSVで自分らしさを見失っていたと明かした堂安は、昇格組だったビーレフェルトでリーグ戦全34試合に出場。チーム最多の5ゴールをあげて、自分が中心になってチームを引っ張っていく感覚を取り戻した。