国語デキない社会人でも書ける「魔法の文章テク」 問いと答えを整理すれば誰でも書けるように
つまり、文章を書きたいと思ったら「問い」を考える必要があるのです。「どうやって自己紹介しよう?」と考えているうちは、文章は書けません。でも、「自己紹介をするうえで、相手が気になるであろう質問を考えてみよう」と考えると、文章が書けるようになります。 「この本について話してください」と言われても文章は書けませんが、「この本のどこが面白かったですか? それはなぜですか?」と聞かれたら答えることができるようになるはずです。「問い」を明確にすれば、文章が書けるようになるはずなのです。
学校の国語の授業というのは実は、この「問い」の仕方を学んでいたのだと言えます。いろんな文章を読んで、「どんな問いがあって、文章が展開されているのか」を知るための授業が行われています。 だからこそ、「この作者は何を言いたいのか?」「『~~~』とあるが、それはなぜか答えなさい」というような国語の試験が課されていたのです。国語の授業は、文章を作るうえでいちばん重要な『問いの技術』を磨くための訓練だったのです。
■国語の授業は決して無駄ではない そのことが理解されていないがために、「国語の授業を真面目に聞いていたのに文章が書けるようにならなかった」と思っている人が多いのは非常に悲しいことです。決して国語の授業は無駄なものではないのです。 一方で「問いの技術を磨けば文章が書けるようになる」といういちばん大事なメッセージが抜け落ちているために、多くの人が無駄だと感じてしまっているのだと思います。今からでも遅くありません。このことを理解して、さまざまな文章に触れてみていただければと思います。
辻 孝宗 :西大和学園中学校・高等学校教諭