国語デキない社会人でも書ける「魔法の文章テク」 問いと答えを整理すれば誰でも書けるように
先ほどの自己紹介は「あなたのことを詳しく教えてください! あなたはどんな人ですか?」という質問に対する答えです。 今回私が執筆した本は「どうすれば文章が書けるようになるのか?」という問いに対する答えとして作られていますし、ネットやメディア・新聞のニュースだって「先週どんな出来事が起こったのか? それはなぜ起こってしまったのか?」という問いに対する答えを書いているだけです。 評論文は「自分はこう思う」と主張したあとに、「それはなぜなのか?」と問いが続く形で、文章が構成されているケースがほとんどです。
コミュニケーション・会話も1つの「文章作り」だと定義できるでしょう。 相手の話に対して「なんで?」と聞くことを一切してはいけないし、「どうして?」と尋ねることもできない。そんな状況で、相手とコミュニケーションを取ることはできないでしょう。 「聞いてよ、こんなことがあったんだよ!」と一方的に自分の話をしているときでさえ、その裏側には「こんなことがあったんだよ、どう思う?」という問いが存在していますよね。問いはコミュニケーションの基本なのです。
小説に関しても同じことが言えます。ミステリー小説は作中でなんらかの事件が起こり、その事件の真相がだんだんと明らかになっていきますよね。これは、事件という「問い」があって、その答えが作中で明らかになっていくというものです。 「その事件の犯人はなぜそんなことをしたのか? どうやってその事件を引き起こしたのか? 誰がその事件の犯人なのか? 」という問いの答えが、探偵役によって明らかになります。恋愛小説では帯に「この恋の行方は?」なんて書いてあることがありますが、やっぱりこれも「問い」ですよね。
童話や文学作品であっても同じです。童話「北風と太陽」は、旅人に対して北風が強い風で強引に服を脱がせようとするも失敗し、太陽が暖かく照らすことで旅人が自分から服を脱いでくれるという作品です。 これも「相手に自分の主張を受け入れてもらうためには、どうすればいいのか?」という問いに対する答えを教えてくれるものだったと言えます。 ■会話やさまざまな文章の中に「問い」はある 日常会話や、評論、新聞、小説、漫画、すべての中のどこかに「質問」が存在するのです。「問い」があって、会話や文章の中に「答え」も示されています。