子どもがいる世帯の平均年収が「800万円台」に。平均的な貯蓄や暮らしぶりとは
「生活が苦しい」と考える子どもがいる世帯が65%
厚生労働省では、各種世帯の生活意識調査も行っています。 この調査によると、子どもがいる世帯の65%が「生活が苦しい」と感じています。 こちらのデータは2023(令和5)年時点である点に留意が必要です。 2022(令和4)年と2023(令和5)年を比較すると、以下のようなデータとなっています。 令和4年から5年にかけて、生活が苦しい(やや苦しい+大変苦しい)と感じている世帯は10%以上増加して「普通~大変ゆとりがある」が減少しています。 先ほど紹介したとおり、賃金は上昇傾向であることを踏まえると、物価高騰に伴い生活コストも上昇していることが、生活を苦しくしていると考えられます。 次の章では、子どものいる世帯の貯蓄事情を深堀りしていきましょう。
子どものいる世帯の平均的な貯蓄とは
統計局が調査した令和5年度「家計調査 / 貯蓄・負債編 二人以上の世帯」によると、平均年収別の貯蓄額は次の通りです。 こちらは子どもがいない二人世帯も含まれている点に留意が必要ですが、年収700万円~800万円の勤労者世帯の平均貯蓄額は1285万円~1346万円となっています。 続いて、こちらの年収帯の貯蓄の内訳を見てみましょう(勤労者世帯に絞ったデータ)。 預貯金の合計が800万円を超えており、過半数は預貯金で構成されている事がわかります。 また、700~750万円で224万円、750~800万円で318万円、生命保険として保有されています。 有価証券は700~750万円で200万円、750~800万円で197万円と、貯蓄全体に占める割合は決して高くありません。 預貯金が多いと、物価上昇時には買えるモノの量や質で考えた「資産の実質的な量」が目減りして、生活が苦しくなるリスクがある点には留意が必要です。
参考資料
・国税庁「民間給与実態統計調査結果」 ・独立行政法人 労働政策研究・研修機構「図12 専業主婦世帯と共働き世帯」 ・厚生労働省「2 各種世帯の所得等の状況」 ・総務省統計局「家計調査 / 貯蓄・負債編 二人以上の世帯」
太田 彩子