悩める部下にどう接すればいい…?リーダー・マネージャーのための「ちょうど良い距離感の寄り添い方」
私生活で困難な状況にあるチーム・メンバーをサポートする場合には細心の注意が必要です。マネージャーとして適度な共感が必要ですが、同時に仕事に支障がないように援助を申し出なければならないのです。 これは本当に対処が難しい部分であり、マネージャー向けのトレーニングでは教えてもらえないでしょう。 私(Vincent Sanderson)は経営コンサルタント、コーチをしていますので、こういった状況にどう対処すべきか尋ねられることがよくあります。この種の問題を抱えているのは、あなただけではないのです。そこで、次のような対応方法を考えてみましょう。
自分の役割を現実的に考えてみる
まずはじめに、あなたはマネージャーであってセラピストではないことを思い出しましょう。 チーム・メンバーが困難な状況にあるとして、問題解決に真剣に取り組む際にその人を「治して」あげようとか、救ってあげたいという気持ちに駆られるかもしれません。しかし、それはあなたの役割ではありませんし、現実的でもありません。 あなたができる支援は頼りになるアンカー(よりどころ)でいることだと考えてください。そういった部下はあなたに問題を解決してほしいのではありません。とはいえ、1人で問題に直面しているわけではない、と感じさせる必要があります それでは、このように話してみてはどうでしょう。 「私はあなたの話を聞いて、何かサポートできればと思います。ただ、話してくれても私の手には負えない問題かもしれません。 とはいえ、せっかく心を開いてくれたのに、私にはサポートできないということは避けたいと思います。 だから、そんな話になりそうだったら『これは私が手助けできない問題に向かっているけれど大丈夫ですか?』と言ってもいいでしょうか?」 このように話せば、一定の境界を示したうえで、そのメンバーに対して人として配慮しているとわかってもらえます。 そういう状況ではみんな、「自分は迷惑になっておらず、マネージャーは自分のことを個人的に気にかけていて手助けする意志がある」と知りたいものです。 問題が解決できるかどうかの分かれ目は、あなた、つまりマネージャーの配慮をチーム・メンバーが理解してくれているかどうかということもあります。