悩める部下にどう接すればいい…?リーダー・マネージャーのための「ちょうど良い距離感の寄り添い方」
対処をはじめる前に、話を聞いて状況を理解しよう
援助できる限界があることを示したら、次は話を聞きましょう。 「聞く」というのは、つまり「本当に聞く」ということです。私たちは、自分が話す順番を待っているだけになっていることがありますが、こういう状況では相手に話をしてもらう必要があります。 話を聞くということは、アドバイスをしたり、簡単な解決方法を見つけたりする機会ではなく、自分で問題に対処するのを手助けする方法だと考えましょう。相手が話し終わったら、次のように答えてみるのはどうでしょうか。 「本当に難しい状況だということがわかりました。どうしようもないと感じているのだと思います」 「つまり、仕事が終わってから自分の時間が持てないために、燃え尽きてしまったような気分になって、翌日に向けてリフレッシュできないということでしょうか。私の理解は合っていますか?」 「どうすれば、もう少し対処しやすくなると思いますか?」 多くの場合、人は真剣に話を聞いてもらえたと感じることで、解決策を見つけやすくなります。 マネージャーができるもっとも重要なサポートは、安心して話ができて、話を聞いてもらえて、自分が対処しなければならないことを整理し直すための場所を提供することである場合があります。 実際、職場で支援が得られないと感じる共通の理由は、話を聞いてもらえないと感じていることがほとんどです。 調停の場になって、マネージャーが「自分は話を聞いていた」と主張するのを耳にすることがあります(その証拠のメモも出してきます。)表面的に「聞く」行為と、相手が話を聞いてもらえていると実感できるように「聞く」スキルの違いがわかっていないのです。
どんなサポートを必要としているのか考える
ぜんぶ話してくれたら、ダイレクトに聞いてみましょう。「いまは、どんなサポートが必要でしょうか?」と。そうすれば相手の自主性を尊重できますし、必要としていることについて話し合う余地ができます。 その時に「自分が答えを用意しなければ」と考える必要はありません。だれもが自分自身の人生に関しては専門家なのです。あなたは、いま起きていることのほんの一場面を目撃しているにすぎません。 求められるサポートが現実的ではないという場合もあります。そのような場合は、自分には何ができるのか正直に話し、もっと良い解決策を一緒に探れるはずだと示すべきです。 このように言ってみると良いかもしれません。 「残念だけれどそれは無理だと思う。でも、あなたが必要としていることにどのような対応ができるのか、さまざまな可能性を考えるのが私の仕事です。一緒になにができるのか考えたいと思います」 このようにして相手を巻き込むことで、協力的アプローチをとれます。このほうが、自身に裁量権があり、支援も得られていると実感しやすいはずです。