「シリア人は難民ではなく仲間」高いITスキルを有するエンジニアと共にアプリ開発を進める社長の思い
内戦から逃れて日本に来たシリア人が働ける場を提供しようと、システム開発会社を立ち上げた、株式会社BonZuttnerの坂下裕基さん。 【画像】BonZuttnerでは内戦から逃れて日本に来たシリア人らが働いている 「トルコの沿岸にシリア人難民の男の子が遺体で流れ着いたというニュースを見て、難民問題に興味を持ちました。 その中でシリアの人たちと知り合い、優秀なITエンジニアがたくさんいること知り、ビジネスの観点から彼らに貢献できるのではないかと考えました」
「私たちに世界を開いてくれる」
広告会社を辞め、難民支援のボランティアをしていた坂下さん。 内戦の影響で経済危機に陥ったシリアでは、高いITスキルを持っているのに仕事がなかったり、安い報酬しかもらえない人たちが多くいることを知った。 彼らの能力を活かせる場を作りたいと考えた坂下さんは2019年、システム開発を行う「株式会社BonZuttner」を設立。 内戦から逃れて来日したシリア人達とアプリやウェブサービスの開発を行っている。 顧客の1人は「彼らの技術力はすごく高いものがある」と言う。 シリアの名門大学でITを学び、10年前に来日した開発マネージャーのマヘルさんは、同じ境遇の仲間を助けたいと考えている。 マヘルさんは「高度な技術を必要としないプロジェクトを見つけて彼らに仕事を教えたい」と話す。 また、周辺国に逃れ、リモートで仕事をしているITエンジニアのハビブさんは「坂下さんは私たちに世界を開いてくれる」と感謝の言葉を述べる。 坂下さんは「“難民”というのは、その人に貼り付けられたラベルだったり、タグでしかない。私にとって彼らは、一緒に暮らしている友人であり隣人、仲間であると考えています」と話す。
SDGs
SDGsとは、2015年9月の国連サミットで、全会一致で採択された「持続可能な開発目標」。
フューチャーランナーズ~17の未来~