マルティネス・サイドからの要望での調印式中止を伝え、報道陣に頭を下げる志成ジム・芳野プロモーター（撮影・佐藤厚）

　「ボクシング・ＷＢＡ世界スーパーフライ級タイトルマッチ」（３１日、大田区総合体育館） 【写真】公式行事を２回連続でドタキャン　報道陣に調印式中止を説明するプロモーター 　前王者・井岡一翔（３５）＝志成＝が王者のフェルナンド・マルティネス（３３）＝アルゼンチン＝にダイレクトリマッチを挑む一戦の調印式が２９日正午から東京・渋谷で行われる予定だったが、マルティネス陣営からの要望で中止になった。マルティネスは２６日の公開練習を３７・８度の発熱でドタキャンしており、公式行事を２回連続でドタキャンすることになった。 　調印式の会場には興行のパネル、テーブルやイスがセッティングされ、報道陣やＪＢＣ関係者も集まっていたが、開始時刻になっても井岡やマルティネスは現れず、志成ジムの芳野一貴プロモーターが調印式の中止を発表した。 　芳野氏は、「マルティネス陣営から、明日の計量に対して今日はコンディションを整えたいとの要望を受けました。私どもは挑戦者なので、王者の意向を尊重して、調印式は中止させていただきたい」と説明。「（直前のドタキャン）なので（調印式の）用意をしていた」と、マルティネス陣営からの欠席の連絡が直前だったことを明かした。 　芳野氏は「明日の計量は予定通り続行します。変化がありましたらご報告させていただきたい。私どもは（興行を）継続する予定です。その（中止の）可能性はないと思って動いております」と、３０日の前日計量、３１日の興行は予定通り実施する考えを示した。マルティネス陣営とは「二宮（雄介マネジャー）は日々やりとりはやっている。毎日のように連絡はしている」といい、試合に関してのマルティネス陣営の意向は「彼らはやる気満々だということなので」と説明した。 　また、マルティネスの発熱について、マルティネス陣営は気温の変化によるものと説明していたが、芳野氏は「私どもは減量（の影響）による発熱ではないかと考えています」と推察。マルティネスが病院に行かなかったことに対しては「彼らの判断として、さほど大したことはなかったと」と解釈した。調印式の欠席が発熱と関係があるのかどうかについては「その後の経緯がそこに関係あるかないかは分からない。聞いていない」と述べるにとどめた。 　芳野氏は「突然のことだったので今後のことで、話し合いはできていない。調印式を行うかどうかはこれから話をする。（前日計量など）今後の話はまだこれから。この後ＡＢＥＭＡさんを含めてお話しさせていただく。突然のことなので今ここでどうこうという話はできない」といい、マルティネスの練習や現状について「（練習を）ホテルでやっているのか定かではない。室内にいると思われる」、井岡の反応について「彼の気持ちの変化は分かりません」としていた。 　ＪＢＣの安河内剛事務局長は、「今日の調印式がなくなって、試合がなくなるということはない。明日、健康診断が行われて、計量が行われて、ルールミーティングが行われて、調印が行われれば、試合は行われます」と説明。「明日の状況をみないと。マルティネス側がどういう状態なのか把握してから、明日全てが分かるのかなと思う」と話した。 　大会を無料生中継するＡＢＥＭＡの北野雄司プロデューサーは、「興行が行われるなら、当然オンエアはします。契約に従ってやります」と対応を説明した。