【全日本】福田剛紀社長 激動2024年の舞台裏…黒幕と決別でV字回復「中嶋選手には感謝しています」
一部界隈で大反響を呼んでいる全日本プロレス・福田剛紀社長(58)の短期集中連載。最終回は黒幕との決別を機に、V字回復した2024年の王道マットを振り返る。 【全日本プロレス・福田社長 黒幕に操られたトップ(3)】 ――中嶋勝彦が3冠王者として迎えた24年は、波乱のスタートとなった 福田社長(以下福田)そのころはまだ、手を差し伸べてくれそうな〝ある団体〟といい関係を築けると思っていました。しかし、24年の年明け直後、衝撃的な事実を知ることになりました。日本の大きな会社が映像部門を通じて、ある団体と国内他団体とで独占契約を結んでいたことが判明したんです。その事実を先方の経営トップも、こちらの黒幕も知りませんでした。 ――その「ある団体」と関係が結べると思い黒幕の言いなりになってきたが、すべて崩れたんですね 福田 もうその団体とは関係を築くことができないと落胆しました。それを黒幕に伝えても全然信じてもらえなかった。そこで黒幕から離れることになったんです。 ――リング上も3月30日大田区大会で安齊勇馬が中嶋を破り、3冠ヘビー級王座を奪還した 福田 中嶋選手には感謝しています。彼の刺激的な行動は、これまでの全日本とはケタ違いのSNS閲覧数を稼ぎましたから。専門誌の表紙に何回も載ったり、米国の雑誌の表紙に中嶋選手がなったり話題にはなりましたね。(動画配信サービス)「全日本プロレスTV」の会員数は中嶋選手が3冠王者だった24年1月がピークでした。1月の銀行預金の残高は、いまだに追い抜けていません。このころの出来事は一部のファンには目障りだったかもしれませんが、知らない人に全日本を知ってもらうきっかけになったと思います。 ――3月30日を機に団体の雰囲気が変わった 福田 宮原健斗選手会長を中心に青柳優馬選手、斉藤ブラザーズ(ジュン&レイ)、安齊選手、ライジングHAYATO選手が実力をつけるとともにマット界で存在感が認められてきました。会場に足を運ぶファン層がガラリと変わりましたね。後楽園ホールで会場が盛り上がってきたのは、選手一人ひとりの個性にフォーカスを当てたことと、各選手の努力によって実力アップしたことが要因でもありますが、何よりもファンが自分たちでその雰囲気をつくって、それを楽しんでくれるようになったおかげだと言えます。 ――社長自ら後楽園の入り口でファンを出迎えている 福田 最近は「全日本プロレスを開催してくれてありがとうございます」とお礼を言われるんですよ。お金を払っていただいた上に、何人もの方から言われるので、ありがたいと思います。 ――2年連続の大みそか興行(東京・国立代々木競技場第二体育館)を経て、25年は恒例の1月2日後楽園ホール大会からスタートする。どんな年にしたいか 福田 満員が続いている後楽園大会をピークにしてはいけないと思っています。これを維持していかないとというのがすごいプレッシャーで、そのためにどうすればいいのかという話はしています。会場は代々木第二が一番大きくて、あとは大田区(総合体育館)とか背伸びしないでやるのがちょうどいいのかなと。全日本の良さってリング上で大きい人同士がぶつかり合う迫力。それが感じられるスペースじゃないと、全日本の良さは伝わらないのかなって。 ――ちなみに25年の新年あいさつはバカ殿スタイルですか 福田 普通ですよ(笑い)。普通にスーツ姿であいさつします。あと(ハロウィンパーティーで扮した)ルイージはいずれ復活する日があればいいなと。いつか社長主催のハロウィンパーティーの時にみなさんの前に現れますから(笑い)。
小坂健一郎