2024年、注目すべきインテリアの9大トレンド
曲線と直線の融合
最もアイコニックな椅子についてレポートした「1stDibs」は、デザイナーたちに最も人気のある椅子として、ハンス・ウェグナーの“ウィッシュボーンチェア”とウラジミール・ケーガンの“サーペンタインソファ”を挙げている。どちらにも共通する特徴は、曲線美。 リューは、「直線はもう卒業。新しい年は曲線や柔らかい形が主役になります」と言い、家具では「波形のディテールが取り入れられた作品が増えています。鏡のフレームや張地のディテールにも見られます。最近、背もたれに波打つような木彫り細工が施されたヴィンテージバースツールをクライアントに見せたら、とても気に入ってくれました」とも語っています。 「ジャン・ロワイエの“ポーラベアソファ”は、私にとって永遠に色褪せない存在です」と、カピートは話す。 「どんなトレンドでも覚えておかなければならないのは、全体に固執しすぎないということです。曲線的なデスクや椅子があるなら、同じ部屋に直線的な家具も組み入れるようにしてください。ミックスとバランスが空間を面白くします」
ディーズも同様の考えだが、より地域のデザインを意識している。「ロワイエの作品に見られる波打つような曲線は、パームビーチのデザインではおなじみのテーマです。そして、家具デザインで取り入れられる貝殻のような曲線は、今とても流行っていますが、同時にタイムレスな魅力も持っています」 「曲線はたくさん見ることが増え、このトレンドが消える気配もありません。職人たちは、こうした曲線や有機的な形をどんどんデザインに取り入れています」と、ホリスは付け加える。 ベックステッドは、「完璧な直方体のように精密なデザインはもう時代遅れです。曲線と温もりのあるビーダーマイヤー様式の家具などが再び注目を集め、80年代風のガラスとスチールの時代は終わりました」と、説明する。
職人技が光るアイテムが集結
素晴らしいデザインを生み出すのはまさに芸術。その才能は、一点物の作品や熟練職人の手仕事、人の手が生み出す卓越した技に表れている。 「コロナ禍を経て、私たちはますますデザイナーの手仕事や人間の温もりを求めているのです」と、ファースは語る。「職人による手作りのもの、陶器のタイルだったり彫刻を施した木製家具だったり吹きガラスだったり、人間の不完全さが心を落ち着かせてくれるのです」 ホリスは、日頃からアーティストに声をかけて、彼らの技術を広げ、アーティストの才能を引き出すため、一点物で手作業の美しい作品を作ってもらっている。 「イギリス人アーティストのニック・ウェブは、無垢材から素晴らしい器を彫り上げるんだけど、あるプロジェクトのために、その器を照明器具に変えられないか、彼に尋ねたんです。彼の作った照明器具は本当にインパクトがありましたよ」と、彼女は説明する。